［にがり］には痩身効果はない。摂りすぎると下痢に

●［にがり］には痩身効果はない。摂りすぎると下痢に。

　最近、「にがり」にダイエット効果があるといううわさがひろまり、ブーム
になっています。
　ところが、独立行政法人国立健康・栄養研究所は、7月14日、ダイエット効
果の根拠がないだけでなく、摂りすぎると問題が生ずると注意を呼びかけてい
ます。

　ご存知のように、にがりは海水を濃縮し、そこから塩を除いたもので、主成
分は塩化マグネシウムです。
　古来より、豆腐を作る時の凝固剤として使われてきたものですが、最近にな
って、“にがりには糖や脂肪の吸収を抑制し、更に糖質代謝も促進するダイエ
ット効果が大きい”と、テレビや雑誌などで大々的に報道されました。
　それ以来、にがりがブームとなり、特に若い女性のあいだでは過剰に摂る人
が増えてきたようです。

　今回、国立栄研がそのような過剰なブームに危機感を覚えて、このようなダ
イエット情報には、どれも確実な根拠や文献はなく、更にマグネシウムを多量
に摂取すると下痢になる可能性があると警告を出したというわけです。

　中には、下痢による体重の低下すらも期待する向きがあるようですが、下痢
による一時的な体重変化は、主に必要な水分の減少によるもので、長続きする
ものではありません。
　さらに、下痢を起こすほどのにがりやマグネシウムの摂取は、エネルギー源
となる糖質や脂質だけでなく、ビタミンやミネラル等も吸収できなくなり、身
体を衰弱させる事につながります。
　下剤としてにがりを利用し、その摂取量を間違えて、重大な健康被害が出た
事例もあるそうです。

　食品に含まれるマグネシウムの場合では、大量に食べない限りは健康に与え
る影響は少ないと考えられます。
　しかし、今回のにがり騒動をはじめ、多量のマグネシウムを簡単に摂取でき
るサプリメントの利用についても、充分な注意が必要です。

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「燕雀（えんじゃく）、安んぞ（いずくんぞ）、鴻鵠（こうこく）の志を知ら
んや」

（ツバメやスズメのような小鳥が、どうしてオオトリやコウノトリのような大
きな志を知ろうか。＝　大きな志は、小人物にはわからない）

　むかし、中国で陳渉という若者が、他人に雇われてセッセと畑を耕していま
した。「いつか自分の畑を持つんだ」と大きな志を持ち続けているのを見た同
僚が、「そんな夢みたいなことをいうな」と嘲笑しました。そのとき、陳渉が
同輩に向かっていった言葉。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（史記より）　　　　　　　　　　　　　
　
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