高齢者は薬漬け!

<高齢者は薬漬け!>

高齢者がいっぺんに沢山の薬を服用する、いわゆる「薬漬け」について、厚生労働省が医師や薬剤師らを対象にした服用の適正指針案をまとめました。
ご存知のように、薬を多種類同時に服用すると副作用などのリスクが増大します。
昔から日本人の薬好きは有名ですが、これを是正する事により、薬漬けの解消だけでなく、医療費の削減も可能になります。

厚労省によりますと、60歳を超えると複数の疾患を同時に抱える事が多くなり、そのため服用する薬の種類が増加し、70歳以上の患者さんでは平均6種類以上の薬を服用しているそうです。
また東京大などの調査で、薬を6種類以上服用している場合には副作用が出やすくなり、また転倒などの発生頻度が2倍近くに増えたり、認知障害のリスクが増加することが明らかになっています。
このため厚労省の指針案では、高齢者が薬を服用することで生じる物忘れや目まい、失神などの有害事象を列挙しました。
そして、安全性確保の観点から単に薬の数を減らすのではなく、適正な処方内容への見直しが重要であることも明記しています。
特に複数の医師にかかっている場合には、「お薬手帳」を活用してかかりつけ薬剤師にチェックしてもらうなどして、「医師、薬剤師、看護師などが一元的に情報を集約し、連携すること」としています。
また、NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」が約5千人の高齢者を対象に調査したところ、処方された薬を飲み残す患者さんも多く、47%が飲み残しの経験があると答えていたそうです。

私も薬剤師の端くれですので、何とか皆様が薬を適正に使用され、疾病の治療に役立てていただきたいと願っております。