砂糖の有害性を業界団体が50年も隠ぺい

<砂糖の有害性を業界団体が50年も隠ぺい>

私が学生の時に、教授がよく「酸素と砂糖は、生物にとっての2大有害物質だ」と云っていましたが、今回、砂糖の取りすぎの有害性を指摘した研究を、米国の砂糖業界が50年前に強引に打ち切り、結果を公表させなかったことが明らかになりました。
これは、米カリフォルニア大サンフランシスコ校の研究者が、米科学誌「プロス・バイオロジー」に報告したものです。
それによりますと、米イリノイ大などに保管されていた業界団体「糖類研究財団」(現・砂糖協会)の内部文書を調べたところ、業界が利益を守るために否定的な研究を隠すことで、長期間にわたり消費者をだましてきたとされています。

この研究者によると、砂糖は心臓に有害だとする研究発表が1960年代に出始めたそうですが、それに懸念した財団幹部が68年、英バーミンガム大の研究者に資金提供して、ラットで影響を調べさせました。
その結果、砂糖の主成分のショ糖を与えると、動脈硬化と膀胱がんにかかわる酵素が多く作られることが分かりました。
また、腸内細菌の代謝により、コレステロール中性脂肪もできると考えられたそうです。
そしてその後、英バーミンガム大の研究者はこれらの確証を得るため、研究の延長を求めたのだそうですが、財団は資金を打ち切り、成果を公表させなかったという事です。
更に70年の内部報告には、当時の幹部は「研究は業界にとって有益な情報を引き出すべきだ」と述べ、有害性を示唆した研究の価値は無いと断定していたそうです。

現在では、砂糖の有害性は常識になってきましたが、やはり利益追求をする砂糖協会にとっては、あまり触れられたくない話題のようです。