精神疾患の治療法を利用して、スポーツの成績を向上

精神疾患の治療法を利用して、スポーツの成績を向上>

 いよいよ、甲子園での高校野球大会が始まります。
 早稲田の清宮君は出場できず残念ですが、今年もハラハラ・ドキドキの試合を期待しています。

 さて、高校野球に限らず、どのスポーツでも成績が選手自身の心理的な影響を強く受ける事はご存知の通りです。
 ところが、精神疾患の治療法として注目される認知行動療法を、スポーツの成績向上に取り入れる試みが行われているそうです。
 選手たちの心理的負担や過剰な不安を軽減し、持てる力を十分に発揮できるようにするとの事ですが、その成果をあげている桐生第一高校群馬県桐生市)の取り組みを紹介します。

 認知行動療法は、過剰なストレスを招く考え方を改め、視野を広げて多様な見方ができるようにする方法で、メンタルクリニックなどでよく行われているものです。
 嫌なことがあった時の状況や考え方、別の見方が出来ないか等を文章にしたりして、直面した問題を解決するための考え方などを習得するもので、うつ病や不安症などで治療効果認められています。
 この方法には気分の落ち込みや不安を軽減する効果もあり、これを利用してスポーツの分野でも生かそうと、桐生第一高校が取り組んいる訳です。

 同校では2014年、スポーツコースの1年生40人を対象に認知行動療法を行ったそうです。
 すると1か月後には、生徒のストレス度が実施前よりも顕著に下がることが分かりました。
 その効果はてきめんで、同療法を体験した生徒たちが中心メンバーとなった野球部は、16年春に甲子園出場を果たしたそうで、現在3年生の投手は「試合中に不安で崩れそうになった時、考え方を切り替えて強気で押せるようになった」と話しています。
 現在、スポーツコースの生徒全員に認知行動療法を行っているそうで、今後のスポーツの成績が飛躍的に伸びる可能性があります。
 また、たとえ成績に現れなくても、多感な青春の時期に視野を広げる方法を学ぶことは今後の人生に役立つので多くの学校で取り入れてほしいと、認知行動療法の第一人者の大野医師も述べているそうです。