BMIが急に高くなった幼児は、将来肥満児になりやすい

BMIが急に高くなった幼児は、将来肥満児になりやすい>

ご存知のように、BMI値は、体重(Kg)を身長(m)の2乗で割った値で、肥満を測る国際的な尺度として使われています。
成人になってからのBMI値の変動はいろいろな障害の原因になりますが、子どもの場合も同様で、急速に変化すると将来大きくなってから肥満体型になりやすい事が分かりました。

通常、乳幼児の場合出生の時にはBMIは高いのですが、徐々に減って行き、5〜6歳になると今度は跳ね返るように上昇しますが、この跳ね返り(肥満リバウンド)の時期が早まると肥満になりやすいことが分かっていました。
そこで今回、独協医大小児科の市川剛先生らのグループは、リバウンドが早まっている幼児について、BMI値の変化と肥満になるリスクを調べました。
研究では、栃木県内で1994〜2012年に出生時から追跡した子ども215人について、1歳半から3歳の間にBMIが0.5以上上昇し、3歳時点で16.8以上ある子どもについて12歳時点での体格との関連を調べたそうです。
その結果、BMIが上昇していた幼児は、上昇していない幼児に比べ、12歳時点で肥満のなりやすさが18.9倍、肥満よりやや程度の軽い「過体重」のなりやすさも16.9倍になっていることが分かりました。
ちなみに、BMIの正常域の15〜18で、3歳時で太っていない幼児でもBMIが上昇していれば、肥満になるリスクが高かったそうです。
また1歳半〜3歳でBMIが上昇した人は、12歳時の高血圧のなりやすさも男子で7.6倍、動脈硬化を示す指数の高くなりやすさが女子で6.6倍でした。

以上の結果から、幼児期の体格の変化が思春期の肥満リスクにつながり、幼児期からの肥満対策が必要と結論されています。