不安感の強い人は、ガンの死亡率が高い

<不安感の強い人は、ガンの死亡率が高い>

気分が落ち込みやすく、不安感が強い人は、がんによる死亡リスクが高まる可能性があるそうです。
これは英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に、英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジのDavid Batty氏らが報告したものです。

・論文タイトル:Psychological distress in relation to site specific cancer mortality: pooling of unpublished data from 16 prospective cohort studies
・医学誌名: BMJ 2017; 356 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j108 (Published 25 January 2017) Cite this as: BMJ 2017;356:j108
・著者: David Batty他

研究では、英国イングランド及びウェールズ地方に住む16歳以上の16万3363人の精神的なストレスレベルや生活習慣、がんの発生率など調べました。
ちなみにこのうち4,300人以上が、がんで死亡していたそうです。
その結果、ストレスを感じると答えた人のがんによる死亡率は、その生活習慣にかかわらず、結腸がんで約2倍、すい臓がんと食道がんでは2倍超となっており、白血病ではさらに高くなっていました。

うつ状態になるとホルモンのバランスが崩れ、コルチゾン値が急増したり、DNAの修復機能が抑制される事により、がんに対する防御機能が弱められることが分かっています。
また、気分が落ち込むと喫煙や飲酒の量が増え、肥満にもなりやすくなりますが、これらはいずれもがん発症リスクが増加する事が分かっています。
従って、これらが原因となり、落ち込んだり不安になる頻度が高い人は、がん死リスクが高まる恐れがあると警告されています。