人工芝の発がん性:続報

<人工芝の発がん性:続報>

 以前、人工芝に発がん性の疑いがあるというニュースをお知らせしましたが、今日はその続報です。
 イギリスの大学が、人工芝の発がん性リスクを確認したというものです。

 環境医学を専門とする英スコットランドスターリング大学のアンドリュー・ワターソン教授らが、サッカー競技場で使用されている人工芝のゴムチップを調べたところ、米国で発表されたと同様に、発がん性物質が存在することを発表しました。

 同教授によると、ゴムチップには含有量が異なる複数の発がん性物質が含まれていることが確認されたそうです。
 今回の検査した人工芝は、サッカーやラグビーの競技場に最適だとされている人工芝の「3G」といわれるもので、人工ゴムの葉茎と充填剤のゴムチップからできているもののようです。
 そして教授は、含まれている化学物質が人工芝の上でスポーツする選手に何らかの危険性をもたらす可能性を指摘しています。

 一方、人工芝のメーカーは「米国内では人工芝の安全性について、研究機関のほか各州政府、学校が多数の調査や検査を実施したが、健康や環境に害を及ぼすことを示す決定的な科学的、医学的証拠は示されていない」と述べ、「人工芝は安全だ」と主張しているそうです。

 しかし、人工芝の安全性について調べられたものとしては、1978年にはマウスを使った実験で、人工芝に含まれる「クリセン」に接触したマウスに腫瘍の大幅な増加がみられたと報告されています。
 また、1993年に行われたベンゾ(e)ピレンに関する研究でも、皮膚に腫瘍を発生させるとの結果が示されています。

 日本の学校や競技場では、人工芝が多く使用されています。
 昔は人工芝の上で滑ると火傷をすると云っていたものですが、事態はより深刻そうです。