飲酒と自殺

<飲酒と自殺>


相変わらず、JRでの人身事故がたくさん発生しています。
先日も、いつも乗る駅の構内で人身事故が発生し、大混雑の中で考えさせられました。
 毎年の自殺者が3万人以上となっており、そのうちの半数以上が40歳以上の男性とのことで、本人は勿論、その方の家族の事を考えるとやりきれなくなってしまいます。

 そこで今日は、中高年男性の中でもお酒を多く飲む人と、逆に全く飲まない人に自殺率に差がある、というお話です。
一般的には、飲酒は自殺率を増やすものと考えられますが、ある程度の少量のお酒は自殺衝動を抑えるというものです。
 これは、名古屋市立大明智龍男助教授らが、「英国精神医学雑誌」(British Journal of Psychiatry, March )に報告したものです。

 研究は1990年から1993年にかけて、全国の40歳から69歳の男性約4万4000人に、飲酒習慣や1日に飲む量などをアンケート調査しました。
 次いで7年間以上にわたってこれらの人について追跡調査したところ、そのうちの168人の方が自殺していたそうです。
 そこで、これらの人の飲酒量と自殺との関係を調べたところ、最も自殺率が高かったのは、「週に1回以上飲み、飲む量は日本酒換算で、1日あたり3合以上」というグループと、「全く飲まない」グループで、どちらも年間約1,600人に1名の頻度で自殺者が出ていたそうです。
 逆に最も低かったのは、月に1回から3回の「時々飲む」グループで、自殺率は年間約3,600人に1名でした。
 即ち、自殺率の高いグループでは、「時々」グループの自殺率の実に2.3倍という事です。
 このうちの、「週1回以上飲むが、その量は1日に3合以下」のグループでは約1.7倍となっており、飲む量に比例して自殺率が上昇していたそうです。
 また「全く飲まない」と答えた人について、「以前は飲んでいたがやめた」人と「もともと飲まない」人に分けると、自殺率は「やめた」グループで特に高くなっており、「時々」の人6.7倍になっていたそうです。

 昔から、“お酒は百薬の長”と言われていますので、あまり飲み過ぎず、気分転換目的に飲むのがよさそうです。