ペットの認知症

<ペットの認知症


 認知症は老化に伴って認知力や反応性が低下し、学習記憶能力が衰えてしまった状態です。
人間に限らず、家で飼うペットも同様におこります。
 
1)飼い犬の場合
カンザス州立大学獣医学部のジェイコブ・モーザー氏は、加齢による変化は犬も人間も同じであると報告しています。
神経組織内の情報伝達速度を調べたところ、健康な若い犬では時速360キロであるのに対し、老犬では時速80キロしかありませんでした。
また、脳内で代謝されるエネルギー(ブドウ糖)の量は、3歳を過ぎるころから減少し、14歳を過ぎると若い頃の半分にまで減ることがわかりました。
犬の認知症に伴う症状は、一般的に「DISHA」(ディーシャ)と呼ばれますが、目安としては、大型犬では8歳を過ぎたころから、小型犬の場合では10歳を過ぎたころから認知症の症状が出るそうです。

2)飼い猫
 ネコにもアルツハイマー痴呆症があるという報告は、英エジンバラ大学王立獣医学部Danielle Gunn-Moore氏らが、獣医学誌Journal of Feline Medicineに報告しています。
 今までも、ネコに認知症があるらしいとされていたのですが、飼いネコもヒトと同じように寿命が延び、そのために認知症を発症する率も高くなっているそうです。
 研究者によると、11〜14歳の飼いネコの28%、15歳以上の場合では50%以上が、加齢による行動障害の少なくとも1つを発症しているとのことです。

 ちなみに、犬やネコの場合も、よい食事、精神的刺激、飼い主との良好な関係(対人関係)が、認知症になるリスクを減らすということです。