判断に困ったら、直感に従え!

<判断に困ったら、直感に従え!>


今年のプロ野球セントラルリーグ、どのチームの監督さんも胃の痛いことでしょう。

さて、野球の監督さんに限らず、責任者の方は様々な場面で、右に行くか、左にするかの判断が必要な事が多々あります。
 そのような時は、考え込んだり迷ったりするのが普通ですが、あまり深刻にならず、本能に従い、直感で判断した方がよい結果をもたらすかもしれないという話題です。

 これは、英国University College London心理学部Li Zhaoping博士が、生物学誌journal Current Biologyに報告したたもので、なんとなくホッと安心できる報告でしたのでお知らせします。

 研究では、10名のボランティアの人に、一枚の絵の中に、あるデザインの図形と、それとは異なる様々な図形が描かれた絵を見てもらい、目的のとは異なる図形を選んでもらうという試験をしました。
 それを650種の図柄について調べたのだそうですが、図形は基のデザインが裏返しだったり、逆方向になったりしたものから選ぶというものだったそうです。

 そして、その図形を選択する際、考える時間を全く与えないで直ぐに答えてもらったり、或はある程度の時間を与えて、見直す時間のある条件下で選択してもらい、その正解率を比較しました。

 その結果、見直す時間がない場合は正解率は95%だったのに対し、1.5秒程度の見直しが許される環境下では70%の正解率に低下していたそうです。

 即ち、考えたり見直したりする時間がなく、直感で判断する方が良い結果を与えるという訳です。
 また、見直しの時間を4秒以上にすると、正解率は上がり、直感で判断した時と同じ正解率になったそうです。

 研究者によると、図形が逆になっている場合では、直感的には別の図形であると区別していたのに対し、理性を基にした判断では、これらの図形は同じものであると認識していたとの事です。
 即ち、理性的な脳は、例えばリンゴを裏から見ても、やはりリンゴだと認識するのに対し、直感的な脳は異なる物質と認識するのだそうです。

 理性的な脳の判断と直感的な脳の判断が異なる場合は、十分に時間があればその違いを確認し、正確な判断ができるようになります。
 しかし、そのような理性脳が働くには、目を通して情報が脳に到達し、判断しなければなりません。
 ところが、脳がその判断をする前に元の図形が消えてしまったりすると、理性脳の判断と直感による判断とがごちゃごちゃになり、正解率が低下してしまうのではないかと云う訳です。


 いかなる場合も直感が正しいとは言いませんが、瞬時に判断する時には、確かに直感は正しい判断をおこなうような気がします。
 人間は、理性的な判断が出来ない状況下でも、十分対応できるような機敏な頭脳を持っているのかもしれません。
 何か重大な事態に遭遇した際には、あまり悩まずに、エイヤッと直感に任せて行動するのがよいのかもしれませんね。