副作用のない女性用バイアグラはないか?

<副作用のない女性用バイアグラはないか?>


女性用バイアグラが、米食品医薬品局(FDA)により認可され、一大ニュースとなっています。
この薬剤は商標名「Addyi」で、スプラウト・ファーマシューティカルズ社が性欲が減退した閉経前の女性のために開発したものです。
なおこの薬はアルコールとの併用は厳禁で、アルコールと一緒に服薬すると、失神や極度の低血圧など深刻な相互作用を起こす恐れがあるそうです。

薬というものはどうしてもこのような危険性が伴いますが、そのような危険性がなく、女性の性的興奮を起こさせるものはないかと調べてみました。

その中で、女性が男性の汗に含まれる化学物質の匂いをかぐと性的な興奮を覚え、心臓の鼓動が早くなるなどの変化が表れるという話題がありましたので、今日はそのお話を。

この報告を行ったのは、カリフォルニア大学バークレー校のClaire Wyart博士らで、神経学医学誌 The Journal of Neuroscience (Wyart, C. The Journal of Neuroscience)に発表されているものです。

今までの同大学の研究で、男性の汗に含まれるアンドロスタディエノン(androstadienone)と呼ばれる成分が、女性の性的な興奮を引き起こすらしいことがわかっていました。
そこで実験では、女子大生 48 人にアンドロスタディエノンの入ったビンから、その匂いをかいでもらい、その時に起こる生理的な変化を調べました。
また同時に唾液を採取し、コーチゾルの量も測定しました。
ちなみにコーチゾルは、ストレスを受けたときに分泌されるホルモンで、気持ちのよい興奮状態を維持させたりするため、幸福ホルモンとも呼ばれているものです。

その結果、アンドロスタディエノンの匂いをかいだときには、女性の気分が高揚し、性的な興奮が起こり、血圧、心拍数、息づかいなど生理反応が増加することが確認されました。 そして、幸福ホルモンのコルチゾールのレベルは、アンドロスタディェノンをかいだ直後に上昇し始め、ピークが1 時間以上も続いたそうです。

以上の結果から、この研究者らは、男性の汗の中にあるアンドロスタディエノンには、女性の性的興奮を引き起こすフェロモン作用があるとしています。

ちなみに、アンドロスタディエノンは、男性ホルモンのテストテスロンの誘導体で、男性の汗以外に唾液や精液の中にも存在することが知られています。
また、媚薬として有名な漢方薬である麝香(ジャコウ)にも同様の物質が含まれているものだそうです。