ジェットコースターは不整脈の元

<ジェットコースターは不整脈の元>

 夏休みの真っ盛りです。
 山や海、あるいは遊園地へと、家族計画がぎっしりという方も多いのでは?

 遊園地といえば、ジェットコースターですね。近くの遊園地のジェットコースターは長蛇の列です。
 
 しかし、お孫さんと一緒に乗るのは避けたほうが賢明というお話です。

 ドイツ・マンハイム大学病院のJuergen Kuschyk氏らが、ジェットコースターの乗車は不整脈を誘発し、特に心疾患の患者さんにはそのリスクが高いと警告しています(論文タイトル:Modern Roller Coaster Rides: A Potential Cardiovascular Risk?)。

 研究では、55人のボランティアに、ホルター型心電計を装着してもらい、ジェットコースター乗車中の心拍数の変化を測定しました。
 なお、被験者は37人が男性(平均年齢は28歳(18〜70歳))で、ジェットコースターの乗車経験の豊富な人から全く経験の無い人まで、いろいろな人が混ざっています。

 また、乗車したジェットコースターはドイツ国内にある、地上62メートルから急速に落下する本格的なものです(乗車時間は120秒、重力の変化は4秒間で6G、最高時速は120キロ)。

 その結果、乗車中の平均心拍数は激しい運動した時と同じ程度に上昇し、被験者のうちの43.6%が不整脈を起こす事が分かりました。

 安静時の平均心拍数89が、スタートから平均64秒後には155にまで達しました。
 特に心拍数上昇が大きかったのは、坂をゆっくり上る最初の30秒間で、感情面のストレスも心拍数に大きく影響しているようです。

 また、心拍数の変化は、乗車経験が豊富な人でも未経験者と同様でしたが、女性の方がその差が激しかったそうです(男性148.5拍/分、女性164.8拍/分)。

 55人中24人(43.6%)には、乗車後に、最大で5分間の洞性不整脈が見られました。
 そのうちには、心房細動を起こした人や非持続性心室頻(NSVT)が現れた人もいたそうです。


 予想通りの結果といえばそれまでですが、やっぱりお孫さんと一緒に乗るよりも、喜ぶ様子を見るだけにした方がよさそうです。