ギャンブル好きは遺伝子が関与

<ギャンブル好きは遺伝子が関与>


競馬・競輪にパチンコ、このようなギャンブルに一旦手を染めると抜け出せなくなる人がいます。
このようなギャンブル好きは、遺伝子が関係しているそうです。


人が賭け事や投資を行う時の行動には、遺伝子が大きな役割を持つ、とする研究報告が発表されています。

これは米カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)の研究チームが、権威ある米科学アカデミー紀要誌(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に報告した内容です。


論文タイトル: Damage to insula abolishes cognitive distortions during simulated gambling.
科学誌名: Proceeding of the National Academy of Sciences of the USA 2014, 111: 6098-6103.
著者: Clark L, Studer B, Bruss J, Tranel D, Bechara A.


研究は、シンガポール国立大学(National University of Singapore、NUS)の学生217人のゲノムを解析し、およそ70万個の遺伝子を探索した後に、特にドーパミンの調節にかかわる遺伝子12個種に着目し、解析したものです。

研究に参加した学生たちには、匿名の相手とコンピューター上で賭けをするゲームをしてもらい、その時の脳の様子をMRI画像で調べました。

その結果、相手の考えを想像し、その行動を予期して対応することに長けた学生には、脳の前頭前皮質内側部でドーパミンの働きに影響を与える3つの遺伝子に変異があることがわかりました。
一方、試行錯誤的な学習を得意とする学生では、主に脳の線条体部分においてドーパミンに影響を与える2つの遺伝子に変異があったということです。
 
これらの結果から、問題の遺伝子変異は、快楽の信号を発して「報酬を求める動機」とする脳内化学物質のドーパミンの役割に影響を与えるとものであると考えられました。

そして、ドーパミンの働きが、さまざまな幅広い活動での意思決定に対して重大な影響を及ぼす、と結論しています。


ところで、最近民間会社が遺伝子診断の受託を始めましたが、将来はこのドーパミン関連遺伝子についても遺伝子検査を行うのでしょうか?
そうだとすると、単に癌やアルツハイマー痴呆などへのリスク以外に、意志の決定についてもその人の思考傾向が分かることになります。
ちょっと怖いような・・・。