自殺は真夜中に激増:不眠症治療が重要

<自殺は真夜中に激増:不眠症治療が重要>


1日のうちで最も自殺のリスクが高いのは、午前2時から午前3時までの間であることが分かりました。

これはペンシルバニア大学のMichael Perlis博士が、2014年度睡眠学会で報告したものです(SLEEP 2014, the 28th annual meeting of the Associated Professional Sleep Societies LLC)。

今までの研究では昼間に自殺が多いとされてきたのですが、実際は夜間にはほとんどの人が寝ているので、見かけ上昼間に多いという可能性がありました。

そこでこの研究では、3万5332件の自殺について、1日の時間毎に活動している人の中での自殺者の割合を調べました。

すると午前2時台に自殺した人の割合が16.27%と最も高い事が分かりました。

また、午前6時から正午までに時間当たりに自殺した人の割合は平均2.13%であるのに対し、真夜中(午前0時から6時)までは平均10.27%で、顕著に高いことも明らかになりました。

この結果から、真夜中に起きていること自体が自殺の危険因子であり、不眠症の治療が自殺を防ぐ有効な手段の1つとなり得ると考えられるそうです。


日本の年間自殺者は2万7000人あまりで、このところ4年連続で減少しているものの、先進国の間でもトップクラスの自殺率となっています。

自殺の原因はさまざまですが、危険因子を取り除くことで、1人でも多くの人が自殺を選ばずにすむ事を祈ってやみません。