カフェインで記憶力が向上

<カフェインで記憶力が向上>


カフェインを摂ると、記憶力が高まることが明らかになりました。
試験を前にした学生さんだけでなく、認知症が気になる人にとってもうれしいニュースです。

これは米ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らが、英国科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス(Nature Neuroscience)」に発表した内容です。

論文タイトル: Post-study caffeine administration enhances memory consolidation in humans
科学誌名: Nature Neuroscience, 17, 201–203 (2014); doi:10.1038/nn.3623
著者: Daniel Borota, Michael A Yassa他,


研究では、ボランティアの被験者73人に、植物、かご、サックス、タツノオトシゴなどの多数の物の画像を見てもらいました。

その後、被験者を半数ずつのグループに分け、一方のグループには、濃いエスプレッソコーヒー約2杯分に相当する200ミリグラムのカフェインを、もう一方のグループには、プラセボ(偽薬)を与えたそうです。
また、カフェインの体内のレベルを測定するために、1時間後、3時間後、24時間後にそれぞれ唾液サンプルを採取しました。

そして、翌日に両グループにもう一度、一連の画像を見せたそうです。
その画像には、前日と同じものの他に、全く新しいものや、かごの取っ手が2つから1つに変わっているなどの、微妙に異なる画像も含まれていたそうです。
そして、前にあった画像と無かった画像との区別をしてもらいました。

その結果、区別そのものについてはどちらのグループも正確に行えたのですが、一連の画像の中から「よく似た」画像を特定する場合については、カフェインを摂取したグループの方が正確度は高いことが分かりました。

研究者によると、このテストはカフェインが「海馬」に及ぼす効果を理解することを目的として行われたものだそうで、海馬は短期と長期の両方の記憶力が必要な「パターンの違いの区別」をつかさどる脳の部位であることが分かっているそうです。

そして、カフェインによって促進されたプロセスはこの海馬によるパターン認識と考えられ、カフェインはアルツハイマー病などの認知症に対する予防効果も期待されるとの事です。