ビタミンDが、すい臓がん予防に有効！

＜ビタミンDが、すい臓がん予防に有効！＞

　すい臓がんは、最も厄介ながんの一つです。
　これに罹ると手術で取り除く事が難しい上に、身体の内部にあるため早期発見が困難で、見つかった時には手遅れになっているケースが多いためとされています。

　ところが、この困難な膵臓がんのリスクを低減するには、ビタミンDが有効である事が分かりました。

　これは、米国のノースウエスタン大とハーバード大の共同研究グループが、栄養とすい臓がんの関係を調べる大規模疫学的調査を行った際にわかったもので、「がんの疫学バイオマーカーと予防」に報告されたものです。

　研究グループが、２つの大規模調査の記録を分析したところ、米国保健省が設定するビタミンＤの１日当たり推奨摂取量４００ＩＵ(国際単位)を摂取している人は、すい臓がんリスクが４３％も少なくなっていることが分かりました。
　一方、１日当たりの摂取量が１５０ＩＵ以下の人は、リスクの削減率が２２％にとどまっていたそうです。

　ビタミンＤは、前立腺がんの予防や治療にも効果があるとされています。
　また、日光への暴露が多いほど、前立腺がんや乳がん、直腸結腸がんの発生率や死亡率が低いことが示唆されており、その理由としてビタミンDが関係しているからと考えられています。

　冒頭に述べましたように、すい臓がんは、早期発見や予後のよくない、たちの悪いがんです。
　ビタミンDという簡単に摂る事の出来るサプリメントにより、がんの発生リスクそのものを低減することが出来るとなれば、今後のすい臓がん対策に非常に強いインパクトとなります。
　更に詳しい研究を期待するところです。