女性のヘビ恐怖症は排卵後に高まる
<女性のヘビ恐怖症は排卵後に高まる>
男女を問わず、ほとんどの人は蛇が嫌いだと思いますが、特に女性の場合は排卵後に蛇に対する恐怖感が強まるそうです。
これは、京都大学霊長類研究所の正高教授らのグループが総合科学誌のサイエンスレポート誌に報告したものです。
論文タイトル: Premenstrual enhancement of snake detection in visual search in healthy women
著者: N. Masataka and M. Shibasaki
科学誌名: Scientific Reports 2, 307 doi:10.1038/srep00307
研究は、恐怖感などの生存本能としての反射神経を解明することを目的として、妊娠が可能な年齢の女性60人を対象に、月経の3周期について調査されたものです。
実験では、被験女性らに花の写真8枚とヘビの写真1枚の計9枚を同時に見せて、ヘビの写真を発見する早さを調べたそうです。
その結果、最も早くヘビを見つけられたのは排卵後の黄体期にある女性であることが分かりました。
妊娠が可能な黄体期のホルモンの影響で、妊娠初期に胎児を守れるよう反射神経が敏感になるためだと考えられるそうです。
毒ヘビなど生存を脅かす可能性のあるものに対する「恐怖本能」は、8か月の乳児や霊長類の動物にあることが知られていましたが、今回の実感は大人の人間にも同様に備わっている事を示すもので、特に女性の恐怖に対する反応は排卵後の黄体期に最も高まる、とされています。