緑茶は、口腔がんの予防薬として有望

<緑茶は、口腔がんの予防薬として有望>


私は緑茶が好きで、毎日1リットルくらい飲んでいます。
さて、茶エキスが、口腔白板症のような前がん状態の人の、口腔がんの予防薬として有望であることが、報告されました。
うれしい報告ですので、お知らせします。

これは、米国テキサス大学アンダーソンがん研究所のVassiliki Papadimitrakopoulou教授らが、がん予防研究専門誌Cancer Prevention Research(2009, Nov. Issue)に報告したものです。

ちなみにこれは、がんのハイリスクの人に対するがん予防剤として緑茶の効果を調べたもので、臨床試験のフェーズIIである、最適投与量を決める段階の研究です。

それによりますと、2002年から2008年にかけて、41名の口腔白板症の患者さんに
緑茶エキス或いはプラセボ偽薬を服用してもらいました。

なお、この口腔白板症とは、口腔やその他の部位の粘膜に形成される白色組織からなる異常斑で、ほおっておくとやがてがん化する、前がん状態のものです。
タバコ(喫煙および噛みタバコ)や飲酒が、口腔白板症のリスクを増大させると言われています。

この研究では、緑茶エキスを、体表1平方mあたり、500mg、750mgあるいは1,000mgを、1日3回づつ3ヶ月間投与しました。
そして、口腔組織を12週間ごとに採取し、顕微鏡観察しました。

その結果、プラセボ対照群では18.2%の臨床組織像の改善であったのに対し、500mg群では36.4%、750mgあるいは1,000mgを服用した群では、臨床組織像が58.8%改善していることが分かりました。

また、その後の追跡調査では、緑茶摂取した人の15名に口腔がんが発生したのですが、その発生時期が対照群の27.5ヶ月間に対し、46.4ヶ月と大幅に遅れる事が明らかになりました。
更に、前がん状態の人でも緑茶エキスを容易に長期間服用できること、また副作用もほとんど見られず、高用量群服用者において、不眠や精神的な興奮などの軽い副作用が見られただけでした。

以上の結果から、緑茶エキスの服用は、口腔白板症から口腔がんへの進展を防ぐと結論されています。


今までも、実験室での研究や疫学的な調査などで、ポリフェノールが多く含まれる緑茶が発癌のリスクを低下することが報告されています。
今回の前がん状態の患者さんを対象とした臨床試験でも、その有用性が確認された事になり、緑茶の抗がん作用に対する信憑性が更に高まったという訳です。


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