CTスキャンによる放射線で、発ガンのリスク
CT検査は、微細ながん組織などを発見するのに非常に有用ですので、最近ではほとんどの病院でおこわなれています。
ところが、本来がんを見つけるCTが、逆にがんの原因になっているという話題です。
米国だけでも、CTスキャンの放射線障害により1年間に29,000人もの人にがんが発生し、また約15,000人が死亡しているのだそうです。
この報告は、米国国立がん研究所のAmy Berrington de Gonzalez氏らが、米国内科学誌Archives of Internal Medicineに報告したものです。
2007年に米国では7,000万回のCTスキャンが行われており、1980年の300万回から年々飛躍的に増加しているそうです。
ところが、CTには通常よりも高い放射線量が使われます。
例えば、胸部CTスキャンでは、通常の胸部X線に比べて100倍も多く、放射線に暴露する事になります。
そこでこの研究者らは、このCTスキャンによる放射線障害を推定する、コンピューターモデルを構築しました。
そしてその解析の結果、2007年には29,000人ががんを発生し、15,000件のがんによる死亡例が起こっていたと推定されました。
その1/3は35歳から54歳の人に発生しており、また2/3は女性で、さらに子供や10代の青少年も15%発症していたとされています。
また、2,000人に乳がんが発生していたと推定されています。
研究者によると、「CTスキャンを行えば検査収入が病院に入るため、多くの病院でCT検査が頻繁に行われている。しかし、特に必要のない場合はCT検査をやめ、また一回あたりの放射線量を下げるなどして、放射線障害を最小限にすることが重要である」と警告しています。
がんを見つける検査で、がんになってしまったら、元も子もありません。
CTを受ける際には、充分に医師と話し合うことが必要のようです。
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