遺伝子のオン・オフは、生活スタイルによって決まる。


<遺伝子のオン・オフは、生活スタイルによって決まる。>


生まれつきの遺伝よりも、今の生活のスタイルの仕方の方が、各人の遺伝子発現を強くコントロールしていることが、最新の研究で明らかになりました。

持っている遺伝子そのものは同じであるにもかかわらず、このような遺伝子の発現の違いは予想以上で、環境因子の影響の強さが改めて明らかになったと、話題になっています。

この報告は、米国ノースカロライナ州立大学Youssef Idaghdour氏らが、遺伝学誌PloS Genetics(April 11, 2008;タイトル:A Genomewide Gene Expression Signature of Environmental Geography in Leukocytes of Moroccan Amazighs)
に発表したものです。

研究では、アマゾン、モロッコ、アフリカなどの砂漠遊牧民、山岳地帯の住人、あるいは都市部などの3地域の人の白血球を採取し、それぞれの遺伝子発現を調べました。
なお、遺伝子発現を詳しく調べるため、2,300個のヒトの遺伝子の発現がわかる最新のDNAチップを用いて実験を行ったそうです。

その結果、1/3の遺伝子の発現がそれぞれ異なっており、環境因子が遺伝的な背景以上に強い影響をもたらすことが明らかになりました。

例えば、呼吸系遺伝子は都市部に住む人の方が強く発現していたそうです。
これは、都市部の方が空気汚染が激しく、それに対抗するために都市部住民は遺伝子発現をコントロールしていると考えられるそうです。

またこれは、いくら遺伝子が同じであっても、生活スタイルが悪いと本来持っている身体の能力が発揮できないことを示しています。


遺伝子には生物が誕生して以来の、綿々とした歴史が刻まれています。
せっかく祖先が苦労して手に入れた能力、を無駄にしないようにしたいと思いませんか?


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