超音波診断は、胎児に悪影響!

<超音波診断は、胎児に悪影響!>


 最近の診断技術の進歩は目覚しく、特に超音波画像検査では、胎児の顔の特徴や頭髪までが見えるようになってきており、ご両親が最も気になる我子の性別も生まれる前にわかるようになりました。

 それをよい事に、米国では1990年代半ばから同検査を医療目的ではなく、妊婦向けの記念撮影ビジネスとして行う業者が横行しているそうです。
 特にこの場合は、医療用よりも強い超音波で立体画像や動画を撮影できる装置が使われており、場合によっては胎児の体温を上昇させたり、生後の言語の発達が遅れたり、或いは男児で左利きが増えたりすると言われています。

 超音波は概して安全ではあるのですが、特に経験の少ないスタッフによって行われた場合には、撮像に長時間かかる可能性があり、そのような危険性が高まる訳です。

 そのため2004年には、米国食品医薬品局FDAは、発生過程にある胎児の超音波画像を単に記念のために撮ることをやめるように警告している程です。

 さて今回、実際にこのような事が起こりうるという研究結果が報告されました。
 これは米国エール大などの研究チームが、米国科学アカデミー紀要(Proceeding of National Academy of Sceince, 2006, August, online ed.)に発表した
もので、妊娠したマウスに超音波診断装置を長時間使用したところ、マウス胎児の脳神経細胞の発達に異常が起きたと報告しています。

 そして、より人間に近い霊長類で同装置の影響を詳細に検証する必要があるものの、現時点ではこのような検査をなるべく受けないようにした方がよいと述べられています。

 胎児の時期は、身体の各器官が出来上がる時期です。
 以前起こった、サリドマイド事件をもう一度思い出し、医薬品の使用は勿論の事、過度の超音波検査にも充分注意を払う必要があります。


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