アレルギー疾患のなりやすさは、胎児期に決まる?
<アレルギー疾患のなりやすさは、胎児期に決まる?>
昔から、喘息やアトピーなどのアレルギー疾患は、長男や長女に多いといわれていました。
その真偽のほどは明らかではありませんでしたが、最近の研究により、それは事実であり、また生まれる前の時点で、アレルギーになりやすさはある程度決められている、との報告がありました。
即ち、第一子は喘息などのアレルギーのリスクが高く、将来アレルギーになるかは母親の子宮にいる時の既に決定されていると言うことです。
これは、南カロライナ大学Wilfried Karmaus博士の研究チームが、ワイト島で生まれた1,200人以上の新生児について調べた結果わかったもので、米国胸部学会に報告されています。
研究者らは、子供の臍帯血に含まれている免疫グロブリンE(IgE)と呼ばれる抗体の量を測定しました。
ちなみに、IgEはアレルギー反応のキーとなる因子であることがわかっています。
その結果、第一子は他の子供に比べてIgEのレベルが高い傾向があり、そのため成長後にアレルギー反応が出やすいことが予想されました。
特に第一子では、ストレスホルモンの分泌に関係したサイトカインで、IgEの産生を調節するIL13の遺伝子の多様性の頻度が高いことが分かりました。
また、誕生順が胎児の分化と成長に影響を与え、遺伝子の多様性に依存した発現が影響されると考えられました。
以上の結果から、喘息やアトピー反応のようなアレルギー性疾患のなりやすさは、妊娠時期に既にある程度決定されており、その後の人生での病気のなりやすさに影響していると結論されています。
胎児期は、生まれてくる子供が健康に育つかどうかを決める重要な時期です。
お腹の中で子供がすくすく育つためには、妊娠中のお母さん自身の健康が大きな課題と言うことになりますね。
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