水道水に、薬の成分が混入している!

<水道水に、薬の成分が混入している!>


 昨今、環境への汚染の問題は、中国からの輸入品を始め色々なところで取り上げられています。
 日本でも、かっての高度成長の時期には、カドミウム、水銀、鉛などの環境汚染が大問題でした。

 それらは主に工場排水や農業廃水の問題だったのですが、今回医薬品成分が水道水にも混入しているという、怖い話題をお送りします。

 医薬品による環境水への汚染については、不妊用ピルの解禁の際に問題となり、尿と共に排泄される薬物成分が環境ホルモンとなって生態系を攪乱するとか、廻りまわって人間の生活を脅かすとの議論がありました。

 ところが今回は、更に影響が大きく、米国では少なくとも4,100万人に供給されている飲用水の中に、さまざまな処方薬や市販薬の成分が含まれていることが報告されました。

 これはAP通信による調査で明らかになったもので、健康への影響が懸念されています。

 調査は、各種の科学的調査や政府の飲用水データベースの再検討或いは環境研究施設および水処理設備での視察などを通して、多数の専門家や担当者が参加したものです。

 それによりますと、以下の24主要都市の飲用水から、薬剤成分が検出されました。

フィラデルフィア:56種類の薬剤及びその副産物が検出。
・サンフランシスコ:性ホルモンが検出。
ニュージャージー:85万人の飲用水から狭心症治療薬および精神安定薬成分が検出。
南カリフォルニア:1,850万人の飲用水から抗てんかん薬および抗不安薬が検出。
ワシントンD.C.およびその周辺地域:6種類の薬剤を検出。

などの結果が次々と報告されています。

 人が服用した薬剤はすべて体内で利用されるわけではなく、吸収されなかった分は体外に排泄されます。
 そして、汚水処理設備で処理されるのですが、それが廻りまわって、水道水に入り、再び人間に取り込まれるというわけです。

 飲用水に認められる薬剤の濃度は極めて低く、人体への長期的なリスクについては正確にはわかっていないということですが、ヒトの細胞や野生生物に影響を及ぼす危険があるのではないかと、懸念されています。

 加熱やろ過をしても、簡単には分解除去できない可能性もありますので、気になります。
 そして、市販のミネラルウオーターも例外ではありませんので、もし本当ならば、生物界を揺るがす大問題になる可能性が危惧されます。


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