大気汚染は、心疾患のリスクを高める。

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<大気汚染は、心疾患のリスクを高める。>

 北京オリンピックが始まりましたね。
 残念ながら、我が家はテレビのない生活ですので、日本人選手の活躍の情報
は次の日の新聞が便りです。

 さて、北京と聞くと、すぐに大気汚染の問題を思い出させますが、幸いのこ
とに、日本国内での大気汚染は、以前の高度成長期に比べると、少なくなって
います。
 勿論、大きな問題であることには違いありませんが・・・。

 さて、大気汚染により、心疾患が増えることが、最近の研究で明らかになり
ました
 シアトルにあるワシントン大学のJoel Kaufman博士らが行ったもので、New
England Journal of Medicine(2007, Frb.)誌に報告されたものです。

 研究では、1平方メートルあたり4〜20マイクログラムの大気汚染度のある、
米国の36市在住の66,000人の女性(50〜79歳)の健康について調べました。
 ちなみに、これらの女性は、最初の時点では心疾患の問題は全くない人達でした。

 これらの女性について、9年間にわたって、心臓発作、心臓手術、或いは心疾
患による死亡の有無を調べたところ、この間に1,816人が1つ以上の心疾患にな
っていました。
 次に、これらの人の住んでいた36都市の大気汚染度を見るため、肺に蓄積する
2.5ミクロン以下の微細な空気汚染物について調べました。
 これは、工場の煙突や、車の排ガスとして排出される空気汚染物で、目に見え
ない大きさのものです。

 この大気汚染物の量と、女性の健康度を比較したところ、1平方メートルあた
り10マイクログラム上昇する毎に、心疾患による死亡率が76%上昇していること
がわかりました。
 また、市街地に住んでいる女性では、汚染度の低い地域に住む人に比べて、そ
のリスクは2倍以上の128%増となっており、大気汚染の悪影響を強く受けている
ことが確認されました。

 今回の研究では、女性の心疾患に焦点を当てておこなわれましたが、これは女
性の方が冠状動脈が細く、より影響を受けやすいと考えられたためで、特に高齢
女性の場合には、以前考えられていた以上に危険性が高いことが、今回の研究で
明らかになった訳です。

 空気は人間だけでなく、すべての生物にとって、不可欠なものです。
 そのような大切な空気を汚染する行為は、厳重に取り締まっていただきたいも
のです。 


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