鉄分過剰の健康食品: C型肝炎患者さんは要注意
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<鉄分過剰の健康食品: C型肝炎患者さんは要注意>
ウコン、クロレラなどの健康食品の一部に、平均摂取量を上回る鉄分が含まれていることが報告
されています。
健康な人は問題はないのですが、C型肝炎に感染した人では症状が悪化する可能性があるため、注
意が必要です。
C型肝炎は、以前の注射器の使いまわしなどにより感染した人が多く、患者さんは200万人といわ
れています。
中高年の方が多いのですが、やがて肝硬変から肝臓がんになる頻度が高く、特効薬もないのが現
状です。
最近はインターフェロン療法やリバビリンとの併用療法が進められて治療率は向上していますが、
しかし日本で多いタイプでは依然治療率は低く、また治療費が年間100万円以上必要など、いまだ
に大きな問題となっている厄介な感染症です。
C型肝炎患者さんの場合、肝臓機能の低下のために肝臓に鉄分が蓄積する事が多く、蓄積した過
剰な鉄により、活性酸素が作られ、肝細胞を壊したり、がん化を進めたりすることがわかっています。
C型肝炎患者さんでは未だに、瀉血療法が行われていますが、これは血液中のヘモグロビンなどの
鉄分を取り去ることを狙ったものです。
したがって、このような患者さんは、鉄分の摂取には特に注意をする必要があるのですが、健康
食品の中には過剰の鉄分を含むものもあり、そのためC型慢性肝炎患者さんの病状の改善が妨げら
れ可能性があるとのことです。
これは垣内雅彦三重大准教授(肝臓内科)らの研究で分かったもので、「読売ウイークリー」
(2007年7月8日号)に詳細が書かれています。
研究は、同大付属病院で治療中のC型肝炎患者さんが摂取している健康食品67品について、その
鉄含有量を調べたものです。
その結果、クロレラ商品(錠剤)の一つでは、100g中138.3mg含まれており、1日当たりの摂取
量では11.1mgとなり、成人男性の1日の平均摂取量の8.1mgを上回っていたそうです。
また、ケール商品(錠剤)の一つでは、100g中127.2mg、マルチビタミン剤で118.7mgというケー
スもあることがわかりました。
これらはいずれも肝臓によいとされているものですが、肝臓によいと有名な秋ウコンでも、22.4mg
含まれているものもあったそうです。
C型肝炎患者さんでは鉄摂取量は、1日6mg以下にすべきだそうで、これを超える鉄分を含む健
康食品の摂取は危険です。
一方、健康食品11品で鉄分を1日推計8.5mg取っていた患者さんの場合、健康食品をやめただけ
で肝機能の数値が改善したということです。
ちなみに、肝臓によいといわれるシジミも鉄分が多く含まれていますので、注意が必要です。
C型肝炎の患者さんは、療養中に健康食品を飲む場合が多いのですが、危険な健康食品などをとら
ないよう気をつける必要があります。
健康食品が元で、病気が悪くなっては、目も当てられません。
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