チョコレートを食べて、血圧コントロール

●チョコレートを食べて、血圧コントロール


 バレンタインズデーにちなんで、今日はチョコレートの話題です。
 
 チョコレートに含まれるポリフェノールが血圧低下に有効で、毎日少しずつ
 チョコレートを食べるだけで、高血圧が予防できるそうです。

 これは、ドイツ・ケルン大学のDirk Taubert氏らが、医学誌JAMAに報告した
ものです(Taubert D et al. Effects of low habitual cocoa intake on blood
pressure and bioactive nitric oxide: a randomized controlled trial.
JAMA. 2007 Jul 4; 298(1): 49-60.)。

 研究は、2005年1月から2006年12月にかけて、ドイツの医療機関で行われたも
のです。
 56歳から73歳までの、血圧が高めの人44名(女性24名、男性20名)を対象に
して、18週間、30mgのポリフェノールを含むダークチョコレートを毎日6.3g
(30kcal)を摂ってもらいました。
 なお、対照にはポリフェノールを含まないホワイトチョコレートを摂取して
もらったようです。
 そして、チョコレートを食べ始めて18週後に血圧値の変化を調べ、同時に血
管拡張作用のあるS-ニトロソグルタチオンの濃度変化を調べました。

 その結果、ダークチョコレート摂取群では収縮期血圧が平均2.9mmHg、拡張期
血圧も1.9mmHg、ホワイトチョコレート摂取群よりも下がっていることがわかり
ました。

 また、実際に高血圧症状になっている頻度は、ホワイトチョコレート群では
86%あったのに対し、ポリフェノールを含むダークチョコレート群では、68%ま
で減少していたそうです。
 実際、ダークチョコレート摂取群では、血圧低下とともにS-ニトロソグルタ
チオンが増加しており、血管の拡張が確認されました。

 一方、ホワイトチョコレートの摂取群では血圧、血漿中マーカーとも変化は
見られなかったそうです。

 以上の結果から、ポリフェノールが豊富に含まれるチョコレートを毎日少量
ずつ摂取すると、体重増加などを伴わずに血圧が低下し、S-ニトロソグルタチ
オンによる血管拡張が起こること確認されました。

 今までも、ココアを日常的に摂取すると、心疾患などの死亡率が低下するこ
とが観察されています。
 また、ココアをたくさん摂ると、血管内皮機能が高まり、血圧を低下するこ
とがわかっていましたが、今回の研究で、少量のチョコレートを毎日取り続け
るだけでも十分に効果があることがわかった訳です。


 という訳で、来年のバレンタインズデーでは、カカオ入りチョコレートを貰
えます様に。


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