米国女性が水飲みコンテストで死亡:水中毒(Water Intoxication)

● 米国女性が水飲みコンテストで死亡:水中毒(Water Intoxication)


 このニュースは、国内の新聞等でも報道されていましたので、ご存知の方も
多いと思います。
 私はこのニュースを目にした時、すぐに最近流行のデトックスなどのキレー
ト療法を連想してしまいました。
 キレート療法の可否については、別の機会に述べさせていただく事として、
今回の死亡事故について、考えてみたいと思います。

 これは、米カリフォルニア州サクラメントのラジオ局が開催した「水飲みコ
ンテスト」に参加した女性が死亡したというものです。

 このコンテストは1月12日に開かれ、優勝者は今人気の任天堂のゲーム機ウイ
がもらえるというものでした。
 これには約20人が参加したそうですが、コンテストは8オンス(225ml)水
いりのボトルを15分間毎に飲むというもので、トイレに行かずに、どれだけ多
量の水を飲めるかを競い合ったのだそうです。

 亡くなったのはJennifer Strangeさん(28歳)で、約7リットルの水を飲ん
で2位に入りましたが、番組放送中に頭痛と腹部の異常な膨らみを訴え、帰宅
しました。
 そして、その数時間後に自宅で死亡しているのが見つかったものです。

 死因は、水分の取り過ぎで体内の電解質バランスが崩れ、意識障害などを起
こす「水中毒(Water Intoxication)」とみられています。

 地元警察は、ラジオ局側に過失がなかったか捜査を始めたということですが、
ハンバーグやお寿司をムチャクチャにたべるコンテストなどもよく放送されて
います。

 身体に悪い事は十分承知の上だとは思うのですが、改めてその危険性を考え
直していただきたいと思います。

 さて、今回の死亡原因は水中毒と云う事ですが、この水中毒とは過剰の水分
摂取により生じる低ナトリウム血症を起こす中毒症状です。

 通常、人間の腎臓の水の処理能力は16ミリリットル/分で、これを越えるス
ピードで水を飲むと体内の水分が過剰となり、細胞の膨化が起こり、低ナトリ
ウム血症を引き起こす事が分かっています。

 血液中のナトリウムイオンの濃度の低下に伴って以下のような症状が出ます。