新形インフルエンザ:発生時には交通封鎖や学校閉鎖。家庭では2週間

● 新形インフルエンザ:発生時には交通封鎖や学校閉鎖。家庭では2週間分
の食料を確保する事。


宮崎県の養鶏場で高病原性の鳥インフルエンザが発生して以来、再び新型イ
ンフルエンザが発生するのではないかと、テレビや新聞で大騒ぎになっていま
す。

今のところ高病原性といっても鳥に対してで、鳥との濃厚な接触がない限り
は人には感染していません。
また、日本で人が感染した例では、比較的穏やかな症状か、或は殆んど症状
が見られず、今のところ安心です。
 しかし、インドネシアベトナムでは既に百数十名の方が亡くなっていま
す。
 特に、他のインフルエンザとは異なり、若い人の死亡例が殆んどを占めて
いる事が、恐怖を更に煽り立てています。

 さて、もし新型インフルエンザが流行したら、という想定の下で、様々な
取り組みがなされつつあります。

 厚生労働省は、新型インフルエンザが発生した際の国や自治体、国民など
の対応策をまとめたガイドライン案を、専門家会議に示しました(1月19日)。
 それによると、 (1)新型インフルエンザ発生初期の対応戦略、(2)医療体
制、(3)ワクチン接種、(4)検疫、(5)職場・家庭――などの項目に分けて、
まとめられています。
 それによりますと、
・ 最初の患者が見つかったら入院隔離し、家族や接触した人に抗ウイルス
薬を集中投与する。
・ 被害の程度によっては、人の流入を制限する交通封鎖や学校閉鎖も実施
して、感染拡大の防止を目指す。
 としており、帰国者などが発症した場合、都道府県がまず入院隔離すると
ともに、患者の家族や職場の同僚全員に抗ウイルス薬「タミフル」を投与す
る、とされています。
 そして、接触者の行動制限なども実施し、72時間以内に国と協議しながら、
交通封鎖や学校の臨時休校を伴う地域封じ込めなどに取り組むかどうかを判
断する、としています。

 また、国内で流行した際に備え、国民に2週間分の食料を確保することなど
を求めています。
 ガイドラインは、外出を極力控え、感染者との接触で患者が増える事態を
防ぐ事が重要としており、たとえ流行が始まっても、人ごみに出ることを避
ければ感染せずに済みますので、食料の買出しのためにスーパーなどに行く
のを極力避けるべきという事のようです。
 そして、持病がある人は、一定量の薬を手元に置いておくように、と注意
しています。

 ところで国立感染研究所によると、もし首都圏で新型インフルエンザが流
行した場合、僅か10日で12万人に感染が広がる、との予想がなされています。
 これは、もし東京在住の1人の日本人が東南アジアで新型インフルエンザに
かかって帰国した場合、最悪の場合には僅か10日後には1都4県に感染が広
がり、感染者数が12万人に達する、との試算結果をまとめたものです。
 首都圏在住者88万人の行動パターンから予測したもので、「新型インフル
エンザの患者が出た場合、行政や企業、学校などが連携し、迅速かつ広域に
対策をとることが欠かせない」と警告しています。

 さて、何時何処で新型インフルエンザが発生するかは分かりませんが、発
生は避けられないとする考えが、専門家の間では共通認識となっています。
 勿論、新形インフルエンザが流行に備えて、国や自治体の体制作りは必須
ですが、最後は我々個人個人の意識にかかってきます。

 皆様、今のうちから、それに備えた行動を考えておくのが賢明です。


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