空気汚染により、乳幼児の死亡率が上昇。

● 空気汚染により、乳幼児の死亡率が上昇。


 貴方の住んでいる所では、空気汚染は問題となっていませんか?

 最近は一時期のようにはは激しくはないようですが、私の住んでいる所では
相変わらずお昼になると光化学スモッグ注意報が出て、しょっちゅう野外活動
を避けるようにと放送されています。

 先日、ロスアンジェルスに行きましたが、排ガスによるスモッグが相変わら
ずで、町全体がスモッグに取り巻かれていているのを見て、“健康に良いわけ
が無い”と改めて実感した次第です。

 さて、最近の研究によると、この大気汚染は一向に改善しておらず、呼吸器
疾患などで亡くなる子供が後を絶たないようです。

 これは、カルフォルニア大学ロスアンジェルス校のMichelle Wilhelm博士ら
が、米国小児医学誌(Journal Pediatrics, August 2006)に報告したもので
す。

 研究では、1989年から2000年にカルフォルニアで死亡した19,664人の乳幼児
について、その原因を調べました。
 ちなみにその期間には、同地域で約300万人が誕生していたということです。

 その結果、米国全体では呼吸器系疾患での死亡率は、乳幼児1万人あたり2
名であったのに対し、大気汚染の進んでいる地域の7ヶ月〜12ヶ月の子供に
ついては、そのリスクは2倍になっている事が分かりました。

 その主な死因は、乳幼児突然死症候群(sudden infant death syndrome、
元気だった乳幼児が眠っている間に呼吸が停止して死亡してしまうもの)で、
特に死亡する2ヶ月前に住んでいる地域の二酸化窒素が、1PPM増加する毎に
15〜19%も増加する事が分かったそうです。

 また硫黄の濃度が高く、一酸化炭素濃度も高い地域でも、死亡のリスクが高
いことも確認されました。

 以上の結果より、大気汚染は一向に改善しておらず、呼吸器疾患などで亡く
なる子供が後を絶たず、今後汚染が広がるとますます大きな問題になると警告
されています。

 死亡にまで行かずとも、喘息や花粉症で悩む人も多くなってきていますので、
政府をはじめとした機関による、積極的な取り組みを期待します。


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