長時間労働:女性の方が健康上の問題を生じやすい。

長時間労働:女性の方が健康上の問題を生じやすい。


 最近、職場での勤務時間が長くなっています。
 サービス残業を含めると、一日の半分近く働いている人も多いのではないで
しょうか。
 このような長時間労働を繰り返すと、疲労が抜けにくくなり、不眠、うつ病
など、健康上の様々な弊害をもたらします。

 さて、このような長時間労働は、男性に比べて、女性の方が身体に異常をき
たす傾向が強い事がわかったというニュースです。

 これは、経済社会学研究会議(Economic and Social Research Council,
ESRC)の資金援助の基で行われた、「長時間労働の健康に与えるリスク」を調
べた際にわかったもので、英国リード大学のDaryl O'Connor博士らがEconomic
& Social Research Councilに報告したものです(news release, July 12, 2006)。

 研究では、422名の参加者(男性193名、女性229名、平均年齢40.3歳)を対
象として、日常のストレスと食生活の関係について調べました。
その際同時に、参加者の身長、体重、年齢、一日の労働時間を調べ、社会的
な個人的な嗜好や、食べ物、運動などについても調査し、分析しました。

その結果、女性が長時間労働した場合には、男性に比べて間食を多く摂るよ
うになり、日頃の運動量が低下し、また気分転換のためのコーヒーを飲む量が
多くなっていたそうです。

また喫煙者の場合では、女性の方が男性よりも多く吸うようになっていまし
た。
すなわち、労働時間が増えて疲労が増してくると、女性の方が男性よりも不
健康な行動をしやすく、ネガティブな心理にも陥りやすい事が分かりました。

以上のことから、特に女性の場合は、心疾患やがんのリスクを下げるために
適度の労働時間を保つことが重要であるとされています。

ところで、この調査結果によると、長時間労働をした後は、男女共に飲酒量
が低下していたそうで、アルコール依存症の人はかえって長い時間働いたほう
がよいという結果が出ています。
しかし、私の経験からでは、長時間労働後には寝つきが悪くなり、ついつい
アルコールに手が出たこともありましたので、やや疑問です。念のため・・・


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