イチョウ葉エキスに、抗がん性が確認された。

イチョウ葉エキスに、抗がん性が確認された。


 最近、アンチエージングサプリメントとして人気の、イチョウ葉エキス
(Ginkgo biloba)に、抗ガン活性も存在する事がわかりました。

  イチョウ葉エキスは、認知症、脳血管障害などの予防と症状改善に効果が
あり、ドイツなどでは実際に、医薬品として認可されているものです。

 また、がんに対しても、国内でもよく使用される抗がん剤の5−FUと併用し
た場合に、相乗効果が認められるとした、ドイツのコホート研究もあります。

 今回更に、“イチョウ葉エキス自身が、人の脳腫瘍や乳がんに有効”との報
告がありましたので、お知らせします。

 これは、ワシントン・ジョージタウン大学医学センターのVassilios Papadopoulos
博士らが、がん専門誌Anticancer Resに報告したものです(論文タイトル: 
Cancer-related overexpression of the peripheral-type benzodiazepine
receptor and cytostatic anticancer effects of Ginkgo biloba extract
(EGb 761). Anticancer Res. 2006 Jan-Feb;26(1A):9-22.)

 研究では、ヒトの乳がん細胞や脳腫瘍を移植したマウスにイチョウ葉エキス
を服用させ、末梢型ベンゾジアピン受容体(PBR)の遺伝子発現を調べました。

 この末梢型ベンゾジアゼピン受容体(PBR)は、細胞増殖と細胞死を含む様々
な細胞機能に関与するもので、浸潤性の癌が発生するときに多く作られる事が
知られています。
 実際、癌細胞の増殖とPBRの過剰発現とには、強い相関が認められています。

 その結果、イチョウ葉エキスを飲んだマウスでは、PBR遺伝子の発現が抑えら
れており、無処理のマウスに比べて80%も、乳がん細胞の増殖が抑制される事
が分かりました。

 この効果はイチョウ葉エキスを飲み続ける限り継続しており、更にこのPBRの
抑制は脳腫瘍の場合においても観察されたそうです。

 これらの結果から、イチョウ葉エキスは浸潤性の悪性がんの転移を抑える非
常に有望なものであると、研究者等は述べています。

 この研究はマウスを実験に用いたものであり、実際にヒトのがん組織に対し
ても有効であるかどうかは今後の課題です。

 しかし、イチョウ葉エキスは老人性痴呆などにも有効な、定評のあるアンチ
エージングサプリメントですので、その効果が期待されます。


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