犬の臭覚で、癌を検出!
●犬の臭覚で、癌を検出!
犬の嗅覚は人の10万倍以上敏感なそうで、この嗅覚を利用したガンのスクリ
ーニング法が話題となっています。
犬の嗅覚ががんの診断に役立つ可能性が初めて報告されたのは1989年のこと
で、それ以降、皮膚の病変部の臭いからメラノーマ患者を、また、尿の臭いか
ら膀胱がん患者を特定できた、という論文が発表されています。
今回更に、肺がんと乳がんを、患者さんの息をかいだだけで分かる事が、米
国Pine Street FoundationのMichael McCulloch博士らにより、Integrative
Cancer Therapies(2006, March; 論文タイトル:Diagnostic Accuracy of
Canine Scent Detection in Early- and Late-Stage Lung and Breast Cancers)
に発表されます。
研究に用いた犬は、生後7〜18カ月の飼犬5匹で、3匹がラブラドール、2
匹がポーチュギーズ・ウォーター・ドッグだったそうです。
そして、肺がん患者さん55人、乳がん患者さん31人、健常人83人から採取し
た呼気標本中に、がん特有の匂い成分が含まれていないかを調べました。
ちなみに犬の訓練では、がん患者由来の呼気を識別し、犬が患者さんの前に
横たわれば、食物を与えてほめる方式で、2〜3週間実施したそうです。
その結果、肺がん検出感度は0.99で、特異性も0.99と好感度で検出できる事
が分かりました。
また、乳がんでは、感度0.88、特異性0.98だったそうで、いずれも非常に優
秀な成績です。
この感度と特異性は、病気のステージに関わりなく一定であり、また、5匹
の犬の検出精度にも差はなかったそうで、実際に診断に使えそうな結果です。
犬もそこいらにいる普通の飼犬でOKとのことですので、あなたのペットも訓
練されてみては如何でしょうか?
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