ディーゼル車の排ガスは、自閉症の原因!?
ディーゼル自動車の排ガスは、呼吸器疾患や花粉症の原因である可能性が高
く、健康被害の元凶の一つとされています。
そのため、ディーゼル車の規制が強まってきていますが、今回更に、このと
ころ社会的な問題となっている自閉症の発症原因にもなるのではないか、との
話題です。
ご存知のように、自閉症は言葉の発達の遅れや、対人関係が苦手となるなど、
社会活動を困難にするものです。
脳の機能障害があるとされていますが、今のところはっきりした原因は分か
っていません。
しかし、典型的な自閉症は日本に約36万人、広汎性発達障害の人もも含め
ると約120万人にものぼり、更に最近その増加が懸念されているものです。
非常に気になる報告でしたので、お知らせいたします。
これは栃木臨床病理研究所の菅又昌雄所長らのグループが、カナダのモント
リオールで開かれた国際小児神経学会で発表したものです(2006年6月16日)。
研究では、妊娠中のマウスに、大都市で見られる汚染地域の2倍の濃度に相
当する1立方メートル当たり0.3ミリグラムの濃度のディーゼル排ガスを、
1日12時間、約3週間浴びせました。
次いで、生まれた子マウスの小脳を採取し、分析しました。
その結果、細胞を自ら殺す「アポトーシス」と呼ばれる状態になったプルキ
ンエ細胞の割合は、きれいな空気の下で生まれた子マウスは2.4%だったの
に対し、ディーゼル排ガスを浴びた親マウスから生まれた子マウスでは57.5%
にまで増加している事が分かりました。
また、雄マウスは雌マウスに比べ、この割合が高かったそうです。ちなみに、
人間の場合も、自閉症発症率は男性が女性より高い傾向がある事が分かってい
ます。
さらに、プルキンエ細胞の数も、排ガスを浴びたマウスから生まれた子マウ
スでは、きれいな空気下で生まれた子マウスの約1.7分の1に減少している
ことも明らかになりました。
実際、自閉症では小脳のプルキンエ細胞の減少が見られるとの報告があり、
ディーゼル排ガスによりプルキンエ細胞の消失などをおこし、精神神経疾患の
原因となる可能性があるとしています。
また、特にヒトの場合はマウスに比べ胎盤にある浄化装置が少ないため、デ
ィーゼル排ガスの影響を受けやすいと警告されています。
勿論今回の報告は、ディーゼル排ガスは自閉症の原因の候補のひとつである
としか言えませんが、今までも何かと健康被害の原因とされているものだけに
、極力吸い込まないような注意が必要と思われます。
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