カレー粉とカりフラワーを同時に摂ると、前立腺がんが抑制される。

●カレー粉とカりフラワーを同時に摂ると、前立腺がんが抑制される。

 日本人の前立腺がんによる死亡者数は2015年には2000年の2倍以上、1995年
の約3倍になると推定されています。さらに、この予測をもっと上回るであろう
という研究者もいます。
 この死亡者数の増加率はすべてのがんの中で最も高く、今後最も増え方の激
しいがんだと言えます。その理由は、人口比率の高齢化が主な原因ですが、そ
れ以上に前立腺がん細胞は、化学療法剤や放射線療法に耐性で、有効な治療法
が見あたらない事です。

 ところが今回、日頃食べているカレー粉と、野菜に含まれている成分を同時
に摂ると、前立腺がんの予防や治療に有効である事が報告されましたので、お
知らせします。

 これは、米国ニュージャージー州ラトガー大学のAh-Ng Tony Kong教授らが、
癌研究誌(Cancer Research, 2006, Jan.15;論文タイトル:"Combined Inhibitory
Effects of Curcumin and Phenethyl Isothiocyanate on the Growth of
Human PC-3 Prostate Xenografts in Immunodeficient Mice)に報告したも
のです。

 今のところ、マウスを用いた実験結果なのですが、有効な治療法のない前立
腺がんだけに、注目を集めています。

 研究者らは、世界的に前立腺がん患者が増えているのに対し、インドではそ
の発生率が低い事に注目し、食物中のフィトケミカルが原因ではないかと考え、
長年調べていたそうです。

 そして実験として、免疫不全のマウスを実験材料にし、人の前立腺がんの細
胞をこのマウスに移植した際、食品に含まれている成分の効果を調べました。

 その結果、カレー粉に含まれているクルクミン(curcumin)としてよく知ら
れているターメリックと、カリフラワー、ブロッコリー、ニンジンなどに多く
含まれているフェニチル・イソシアネート(phenethyl isothiocyanate (PEITC))
と共に摂ると、前立腺がんに有効である事を見つけました。

 週3回づつ4週間、ターメリック或いはPEITCを投与し、次いで前立腺ガン
細胞を移植したところ、これら単独の場合でも癌の生育を抑える事が分かりま
した。そして、これら両者を同時に投与した場合には、より強く生育を抑える
事が分かったそうです。

 次に、前もって前立腺がんを移植したマウスにこれらの成分を与えたところ、
それぞれ単独で与えた場合にはあまり効き目はありませんでしがが、クルクミ
ンとPEITCを同時に併用した場合にはガンの増殖を強く抑える事が分かりまし
た。

 これらクルクミンとPEITCは、いずれも簡単に食品から摂る事が出来ますの
で、有望な結果であると考えられます。

 
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