不規則な時間勤務者は、前立腺がんになりやすい

● 不規則な時間勤務者は、前立腺がんになりやすい

 前立腺がんに罹る人は、高齢化社会の到来とともに今後多くなることが予想
されています。
 今回、工場や深夜営業など昼夜を問わず稼働する職場に勤務する男性は、昼
間だけ働く男性に比べ、前立腺がんに罹りやすいという調査結果をお知らせし
ます。

 これは、文部科学省大規模疫学研究班(運営委員長・玉腰暁子名古屋大助教
授)が、札幌で開かれた2005年度日本癌学会総会で発表したものです。

 調査では、88〜97年に全国45市町村の事業所に勤務する40〜79歳
の男性約1万6000人を対象に、勤務時間帯と前立腺がんの発症の関係を調
べました。
 ちなみに、昼間働く日勤グループが1万2756人、夜間働く夜勤グループ
が1184人、交代制勤務グループ1966人が対象だったそうです。

 その結果、追跡調査中に前立腺がんになったのは全部で55人で、日勤グル
ープ38人、夜勤グループ6人、交代制勤務グループ11人でした。

 この結果を元に、家族歴や年齢、地域差などを考慮して比べたところ、交代
制勤務グループは日勤グループに比べ3.5倍前立腺がんになりやすいことが
分かりました。

 なお、日勤グループと夜勤グループの間では、統計的な違いは見られず、夜
勤のみの場合では、夜型リズムに体が順応したためと考えられたそうです。

 いままでの研究でも、不規則な勤務を続けると体内時計が乱れ、前立腺がん
細胞の増殖を抑えるホルモンの一種、メラトニンの分泌量が低下することがわ
かっています。

 交代制勤務がどうしても自分の体に合わないと感じたら、無理をせず、勤務
時間を変えてもらうなどの対応をなさってくださいませ。

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