中高年男性の8割が、勃起機能喪失を恐れる(豪州調査)

● 中高年男性の8割が、勃起機能喪失を恐れる(豪州調査)

 我が国を含め先進諸国では高齢化が進んでおり、痴呆、癌、骨粗鬆症が大き
な問題となりつつあります。
 男性の場合はこれらの疾患に加えて、前立腺疾患、下部尿路症状、勃起不全
(ED)などの生殖器系疾患が加わります。特にEDに対しての恐怖心が高く、豪
州男性の8割がその機能喪失を恐れていることが明らかになりました。

 豪州の40歳以上の男性を対象に、生殖器系疾患の罹患率と、それら疾患の発
症を心配する人の割合、実際に医師に相談したかどうかなどを調べたもので、
豪Monash大学のCarol A Holden氏らがその結果をLancet誌号に報告したもので
す(論文タイトル:Men in Australia Telephone Survey (MATeS): a national
survey of the reproductive health and concerns of middle-aged and
older Australian men)。

 研究では、40歳以上の男性5,990人を対象にして、40〜49歳、50〜59歳、60〜
69歳、70歳以上に分け、それぞれ1,250人について電話による聴き取り調査を
行いました。

 その結果、全体の34%が生殖器系疾患を1つ以上患っており、罹患率は年齢
とともに上昇して、70歳以上では下部尿路症状、ED、前立腺疾患のどれも患っ
ていない男性は20%に満たず、下部尿路症状の罹患率は16%、EDは21%、前立
腺疾患は14%だったそうです。

 性的な活動は年齢が高くなるにつれて減少していましたが、70歳以上でも37
%が過去12カ月以内に性行為があったと答えています。

 しかし、勃起機能は年齢とともに衰えており、全体では21%が中重度のEDで、
40〜49歳ではその頻度は3%だが、70歳以上では68%と深刻となっています。

 また、勃起不全を医師に相談した人は全体の11%しかおらず、中重度のEDと
認識している人々でも、医師に相談した人は30%だったそうで、高齢になると
その頻度は減少していました。

 全回答者の80%が勃起機能の喪失を恐れており、40〜49歳では86%、50〜59
歳では82%、60〜69歳では72%、70歳以上では43%がその機能喪失を恐れてい
るそうです。

 著者らは、発症予防の手立てとともに、各年代に適した生殖健康向上のため
の教育と医療サービスの提供が必要であると強調しています。

 日本ではなかなかその実態が明らかになりにくいのですが、高齢化を迎えた
我が国でも同様の医療サービス体制の充実が望まれます。

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 「模倣なくして創造なし。」       【野口 悠紀雄】

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