カルニチンは、糖尿性神経障害の改善に有効

カルニチンは、糖尿性神経障害の改善に有効

 ご存知のように、体内の重要なスタミナ源は脂肪酸です。この脂肪酸がエネ
ルギー源として使われるには、先ず細胞内のミトコンドリアと呼ばれる組織に
取り込まれなければなりませんが、その際にカルニチンの助けが必須です。

 即ち、脂肪を筋肉に運び、燃焼する役割を担っているのがカルニチンで、こ
のためにカルニチンが、ダイエットやアスリートのスタミナ持続として注目を
集め、人気のサプリメントとなっているわけです。

 今回さらに、アセチルーL-カルニチン(acetyl-L-carnitine, ALC)が、糖
尿病の3大合併症のひとつである、糖尿性神経障害の改善に有効であるという報
告がありましたのでお知らせします。

 これは、米国ミシガン・ウェーン州立大学の神経医学部のSima AA氏らが、医
学誌「糖尿病ケア」(Diabetes Care. 2005,28(1):89-94.)に報告したもので
す(論文タイトル:Acetyl-L-carnitine improves pain, nerve regeneration,
and vibratory perception in patients with chronic diabetic neuropathy:
an analysis of two randomized placebo-controlled trials.)。

 研究では、52週間にわたって、一日500〜1,000mgのALCを慢性の糖尿性神
障害の患者さんに飲んでもらい、その効果を調べました。
 なお、研究参加者は1,257名で、分析結果を明確にするためにランダム・プラ
セボ試験法を採用したそうです。また、効果判定は、ふくらはぎにある腓腹神
経の神経形態計測、神経伝達速度、振動知覚試験、臨床症状スコア、及び視覚
認識テストなどを行い、判定しました。

 その結果、腓腹神経の神経形態計測値、及び神経線維の再生を示すデータが
明らかに改善していたそうです。
 神経電動度は改善しませんでしたが、疼痛のような、患者さんにとって最も
辛い症状が、非常に良くなっており、特に1,000mgALCを摂った群では顕著だっ
たそうです。

 以上の結果から、ALC摂取は、糖尿病性神経障害の症状の緩和に有効であり、
特に疼痛に効果が高いとされています。

 カルニチンは、脂肪燃焼サプリとしての使用以外に、糖尿病の合併症でお悩
みの方にとっても、福音となる事が期待されます。

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<心に効く、言葉のサプリメント

 「健康の維持は我々の義務である。
  生理学的道徳とも云うべきものの存する事を知る人は、まれである。」
                            (スペンサー)

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