アガリクス:「がんに効く」と宣伝販売した出版社員逮捕

アガリクス:「がんに効く」と宣伝販売した出版社員逮捕

 またまた、薬事法違反の報道がありました。今回は、「アガリクス」が医薬
品でもないのに、がんに効くなどと宣伝したとして、出版会社の社員が逮捕さ
れたというものです。

 新聞によりますと、アガリクスを成分に含む承認前医薬品をがんに効くと、
書籍で効能を宣伝販売したとして、警視庁生活環境課が10月5日、「史輝出版
(東京都港区)役員と同社員5人と、健康食品販売会社「ミサワ化学」(新宿区)
代表の計6人を薬事法違反容疑で逮捕した、というものです。

 史輝出版といえば、本屋さんの健康コーナの本の中でも、最も多く出版して
いるところですが、その会社の職員が逮捕されたというのはかなりショックで
す。

 書籍中で商品を宣伝する方法は「タイアップ商法」と呼ばれるものですが、
このタイアップ商法をおこなったため、薬事法上の「広告」ととらえられて摘
発されたたものです。

 出版社員らは承認前医薬品の「即効性アガリクスS」について、「末期ガン
消滅!」などと題する2種類の書籍を01年12月〜昨年6月の間に計4万
1000部発行していました。
 そしてこの中で、「ガン抑止率100%」と効能をうたい、販売会社の連絡
先を掲載して顧客を勧誘する広告を掲載したというのがその容疑です。

 また、販売会社の方も、都内で即効性アガリクスSを無許可販売した疑いが
もたれており、01年10月から今年3月までにこの即効性アガリクスSだけ
で約20億円を売り上げていたようです。

 さて、薬事法では承認を受けていない医薬品の効能を宣伝することを禁じて
います。医薬品は厳しい基準で認可されますが、その証明がないものを医薬品
のようにみせかけて宣伝する事はもってのほかです。

 その一方で、アガリクスに限りませんが、最近科学的にキノコ類には様々な
制癌物質が含まれていることが明らかになってきており、このホームページで
も取り上げてきました。実際、多くの研究者等が、地道な研究でその証明を行
おうと努力されています。

 従って、今回のようなごく一部の人の不正行為により、キノコ類の制癌物質
の研究自体が“インチキ”とされるのではないかと、心配しています。

 同時に、科学的な評価を基にしたエビデンス・ベースド・メデイシン(Evidence Based Medicine; EBM)の重要性を再認識しました。

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「失敗は資本の欠乏よりは、エネルギーの欠乏からしばしば起こる」
                       (英劇作家・ウェブスター)

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