リウマチ:最新の治療でも、疼痛や疲労感が依然残る

●リウマチ:最新の治療でも、疼痛や疲労感が依然残る

 関節リウマチは、からだ中の関節に炎症が起こり、関節がはれて痛む病気で
す。長期間にわたって進行すると、関節の変形と機能障害が起こるようになり、
患者さんは大変な苦痛を余儀なくされます。
 人口の0.4〜0.5%、30歳以上の人口の1%の人がこの病気にかかっていて、
国内だけでも70万人もの患者さんがいるとされています。
 また、男性よりも女性のほうがかかりやすく、約3倍の患者数といわれてい
るものです。

 ありがたいことに、この10年間にリウマチの新薬が次々と開発されており、
過去に比べて治療成績が大幅に改善したと専門家は自負しています。
 ところが、最近のリウマチ協会の調査によると、最新の治療薬で治療中のリ
ウマチ患者の70%が、依然として疼痛、関節硬直、あるいは疲労感で悩んでい
る事が明らかになりました。

 これは、全米リウマチ協会が行った調査で、リウマチ疾患で悩む約500名の
患者さんに電話による聞き取り調査でわかったものです。

 今回の調査対象となったリウマチ患者さんは、少なくとも年1回以上医師の
診断を受け、中程度以上のリウマチ患者とされた人で、現在最も注目されてい
る最新の治療薬(エンブレル、レミケードなどの最新の抗体医薬品)、あるい
は抗リウマチ薬(アラバ、メソトレキセートなどのDMARD薬)などで治療中の患
者さんたちだそうです。
 調査対象となった患者さんの約半数の人は、これらの治療薬により、疼痛や
硬直あるいは腫れが改善し、生活の質(quality of life)も改善したと回答
しています。
 実際、この治療成績を10点法(10点が最もQOLが高くなったとする)に換算す
ると、5点かそれ以上の結果だったそうです。

 しかしながら、このような最新の治療にもかかわらず、依然生活が困難であ
ると述べた人も多く、3分の1以上の患者さんが、評価点が5以下と答えていまし
た。
 この内の半数の人がリウマチ症状のために、日常の活動に影響があり、ほと
んどの人は治療薬のために毎日疲労感を感じているということです。

 全米リウマチ協会会長のH. Klippel博士によると、「最新の薬剤治療で、リ
ウマチ症状を改善でき、患者さんも希望を抱いているが、しかし同時に毎日の
体調の管理については失望している」と述べています。 そして、今後も今ま
で以上に、リウマチ患者さんの生活の質(QOL)を上げる治療を心がける必要
があるとしています。

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