骨関節炎用軟膏の効き目は、長続きしない
●骨関節炎用軟膏の効き目は、長続きしない
消炎鎮痛剤入りの軟膏は、骨関節炎の患者さんによく使われています。
ところが、その効果は長続きせず、約2週間程度しか効かない事が最近の研
究で明らかになりました。
これは英国のノッチンガム大学のWeiya Zhang博士が、英国医学雑誌(the
British Medical Journal, July, online edition)に報告したもので、今
後大きな問題となりうるニュースです。
この骨関節炎は、膝、腰、手、或いは背骨に起こる障害で、ひどい場合には
全く動けなくなり、寝たきりの原因にもなるものです。
また、世界保健機構(WHO)によると、60歳以上の高齢者男性の10%、女性で
は18%の人がこの症状を患っているとされています。
この症状の対症療法として、アスピリンやイブプロフェン、或いはインドメ
タシンなどの非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)配合の軟膏剤(クリーム)や
ゲル剤が用いられます。
今回、ノッチンガム大学のグループが、英国で使用されている13種の消炎鎮
痛剤のクリームの有効性を調べました。
その結果、使用後まもなくは有効なのですが、14日目以後はほとんど無効で、
単に効いているに違いないと信じるだけの、プラセボ作用以上には効果が認め
られなかったそうです。
ところで、欧州及び米国の診療指針によると、破壊性の関節炎にはNSAIDク
リームが有効であると推奨されています。 従って、今後治療指針の見直しが
必要であることを、この報告がものがたっています。
ちなみに、経口剤としてもNSAID剤は、軟膏やゲル剤よりも多く使用されて
いますが、潰瘍や胃の出血の原因になるとされているものです。
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