月経前後のひどい偏頭痛は、薬で軽くなる。

●月経前後のひどい偏頭痛は、薬で軽くなる。

 月経時の偏頭痛で悩んでおられる女性が多くいらっしゃいます。そこで今日
は、この偏頭痛に関する話題です。
 1つは、偏頭痛は月経の前後に高いことがわかったというもので、もう1つは、
月経の始まる前に薬を服用すると、このひどい頭痛が軽減されるというもので
す。

(1)偏頭痛は、月経と強く関連している。
 これは、ロンドンの偏頭痛病院(City of London Migraine Clinic)のAnne
MacGregor博士が、(NEUROLOGY 2004;63:351-353)に報告したものです。
 調査では、偏頭痛になりやすい女性155人に日記をつけてもらい、頭痛の程度
と月経についてしらべました。
 その結果、月経前2日間で1.7倍、月経のはじめから3日間では2.5倍、偏頭痛
がおきやすいことわかりました。
 また、この月経と前後しておきる偏頭痛はより重症で、通常の偏頭痛に比べ
てその痛みは3.4倍強いそうです。
 ちなみに、今回の報告は、偏頭痛と月経の関係を調べた最初の研究だそうで
す。
 従って、月経に関係した偏頭痛は今まで実感されている以上によくあるもの
で、それが他の病気の原因にもなっているようですので、要注意です。

 では、この偏頭痛にはどう対処したらよいのでしょうか?

(2)月経前に予め偏頭痛薬(frovatriptan)を服用しておくと、偏頭痛を予防
できる。
 これは、同じNeurology誌に発表された研究成果で、この月経に関係した偏頭
痛に効く薬についてです。
 フィラデルフィアトーマス・ジェファーソン大学のStephen Silberstein
博士がに報告した内容です。
 偏頭痛薬frovatriptanについて、プラセボ偽薬を飲んだ人と比較したところ、
この薬を月経の2日前に飲み始め、以後6日間飲んだ人では、偏頭痛の起こる頻
度はかなり減少していたということです。
 この研究では、米国に住む偏頭痛持ちの443名の女性について調べました。
これらの女性を3群に分け、一日2.5mgのfrovatriptanを摂る群、2日に一度2.5
mgのfrovatriptanを摂る群、及びプラセボ偽薬を摂る群としました。そして、
月経の始まる2日前から6日間これらの薬を服用してもらいました。
 その結果、プラセボ偽薬群の67%が依然偏頭痛があったのに対し、frovatriptan
を摂った人では52%に減少していました。また、2日に一度の群が最も偏頭痛に
なるの割合が低く、41%だったそうです。
 なお、このfrovatriptanという薬はトリプタン系の薬で、心臓病の人や高血
圧の人は使用しないように注意されているものです。
 また、偏頭痛がそれほどひどくないのなら、薬を使用しない方がよいとこの
論文で述べられていますのでご注意を。

 ところで、発作の回避法としては、代替医療(ハーブ、マグネシウム療法、
アロマテラピーなどもあります。詳しくは、日本神経学会頭痛治療ガイドライ
ン(http://www.neurology-jp.org/guideline/headache/index.html )を
ご覧下さい。

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