レストレス・レッグ症候群(下肢静止不能症候群)は、鉄分不足が原因
●レストレス・レッグ症候群(下肢静止不能症候群)は、鉄分不足が原因
レストレス・レッグ症候群(下肢静止不能症候群、restless leg syndrome)
という病気をご存知でしょうか?
これは、夜、布団に入ると、脚がだるい、むずむずする、うずく、鈍痛が走
るなどの症状がおこり、時に針でちくちく刺されたような痛みになる、なんと
もやり切れない症状です。そのため、夜よく眠れずに睡眠不足や、うつ状態に
なる人も多くいらっしゃいます。
この症状は一般的に大人に多いものですが、最近は子供の間でも深刻になっ
ています。
中には子供が成長する際の“成長痛”のひとつという人もいますが、これが
原因で学業成績が振るわなくなったり、時には登校拒否にまで発展する場合も
ありますので、馬鹿にはできないものです。
ところが今回、その原因は鉄分の不足で、鉄サプリメントが有効であるとい
う話題です。
これは米国の有名な医療機関であるメイヨークリニックの小児科Suresh Kotagal
博士が、神経学会誌(Annals of Neurology)に報告したもので、2,000年1月
から2004年3月までの間に治療を受けた小児性睡眠障害の子供を調べてわかっ
たものです。
レストレス・レッグ症候群と診断された32名の子供を調べたところ、寝つき
が悪い、睡眠が浅い事などの典型的な症状が、87%の子供にあったそうです。
また、32人中23人の家庭内に同じ症状で悩む家族がいて、特に母親がそのよ
うな悩みを抱えている場合が、通常に比べて3倍も高かったそうです。
次にこれらの子供の血液検査を行ったところ、83%の子供が鉄分が少ない事が
わかりました。
鉄分は血液中のヘモグロビンの成分ですので、これが少ない場合は酸素供給
能が低下し、疲れやすくなります。従って、食生活が悪く、充分な鉄分が取れ
ない場合に、症状が出やすい遺伝体質の人に多発する可能性が考えられます。
この症状の治療には通常、中枢神経系のドパミン分泌を促進する薬が用いら
れますが、この研究者は副作用の問題の少ない鉄サプリメントを摂る方がよい
のではないかとしています。
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<心に効く、言葉のサプリメント>
「魂の病は身体のそれよりも危険であり、怖ろし。」 (キケロ)
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