遺伝子組換えトウモロコシ: 人体に悪影響の可能性
●遺伝子組換えトウモロコシ: 人体に悪影響の可能性
ノルウェーのウイルス学者が、遺伝子組換作物の農業従事者の免疫応答反応
に異常が見られたと発表しました。
この調査結果が裏付けられれば、今後遺伝子組換え作物に対する反対運動に
発展する可能性があり、その影響が懸念されそうです。
ノルウェー遺伝子環境研究所のテリエ・トラビク教授は、ミンダナオ島にあ
る遺伝子組み換えトウモロコシ栽培場近くに住む農業従事者39人の血液を調べ
たところ、3種類の抗体の値が異常に増加していたと報告しています。
この遺伝子組換えトウモロコシ(商品名:BTコーン)は、米国の農業関連
大手モンサント社により販売されているもので、土壌微生物「バチルス・チュ
ーリンゲンシス(BT)」の遺伝子がトウモロコシに組み込まれているもので
す。
元々このBTコーンは日本の学者の開発によるもので、トウモロコシの害虫
を殺すタンパク(BT)の遺伝子をコーンに組み込んだものです。
実際、BTを組み入れたトウモロコシは、農薬無しでも安定に栽培できるよ
うになったのです。
今回の研究で、トラビク教授は、抗体の異常がトウモロコシの開花時期から
3カ月後の9月に発生したことから、農業従事者はBTタンパク質の毒素に影
響を受けたと主張しています。
しかしこの点について日本モンサント社は、「トラビク教授の実験はほかの
研究者によって検証されていない」と述べ、その信ぴょう性には疑問が残ると
反論しています。
ただBTコーンは1999年、米コーネル大の研究者がその危険性を指摘してお
り、BTコーンの花粉を浴びたチョウの幼虫は4日間で44%が死んだというこ
とが、ネイチャー誌( Nature, 399, 214, 1999)に発表されて、世界中で
大論争を起こした経緯があります。
「カルタヘナ議定書」に従って、日本国内でも遺伝子組換えの規制が昨年か
ら厳しくなっており、違反した場合には罰則規定まで出来ています。 今後も
組換え生物の安全性については、充分な注意と監視が必要と思われます。
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