フェロモン・スプレーが中高年のロマンスを促進する?

●フェロモン・スプレーが中高年のロマンスを促進する?


 雑誌広告や電柱の張り紙などに、“相手を虜にする魅惑のフェロモン”など
の宣伝をよく目にします。
 そこで今回は、若い女性の性的魅力を高めるとされる性フェロモンが、更年
期以後の女性の性生活を改善したというお話をお送りします。

 これはハーバード大学のJoan Friebely博士及びマサチューセッツ州ニュー
トンの医師Susan Rako氏らが性科学誌(The Journal of Sex Research, vol 41,
p372))に報告したものです。

 研究では44名の更年期以後の女性を対象に、最近分離されたアテナといわれ
る性フェロモン(Athena Pheromone 10:13)の効果について調べました。
 因みに、このフェロモンは元々は女性の脇の下から分泌される汗から分離さ
れた成分で、ギリシャ神話の守護神アテナ(アテネの女神で、知恵・芸術・学
芸・戦争などを司る)に由来して命名された物質だそうです。

 これらの女性の半数にアテナフェロモンの匂いを、残り半分には偽の物質の
匂いを毎日1回ずつ、6週間にわたってかいでもらいました。ついで、性生活の
内容の変化が見られたかどうかを聴き取り調査しました。
 なお、研究者も女性たちも、どちらが本物のアテナが入っているかを知らせ
ない二重盲検という方法を採用したそうです。

 その結果、パートナーとの愛撫やキスなどの愛情交換の内容が深まったと答
えた人は、プラセボ偽薬の人では14%だけだったのに対し、アテネフェロモンを
かいでもらった人では41%も増加していたそうです。
 また、異性との親密な交際や性交数が少なくとも1/4以上増加していたと答え
た人は、対照の偽薬群では41%だったのに対し、フェロモンを使用した人では68%
にのぼっていました。
 この結果から研究者らは、アテナフェロモンは単に女性だけでなく、更年期
以後の女性の性生活を改善するものであるとしています。

 しかし、フェロモンの発見者である生物学者Winnifred Cutler氏は、特許の
関係からその成分の正体を公表していませんので、専門家の間では、“成分も
はっきりせず、また使用された濃度も明確でないので、その内容の真偽は不明”
との疑問が出ています。

 以前にも書きましたように、フェロモンの存在は昆虫などでは確認されてい
ますが、本当に人間にもあるのか、またそれを取り出して魔法の惚れ薬として
使用できるかはわかっていません。
 まだまだ疑惑がついて廻っていますので、皆様ご注意を。

△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△

<心に効く、言葉のサプリメント

 「あなたの躓(つまづ)きの石を、踏み台の石に変えよ」 (作者不明)
 
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 今日の話題は如何でしたか?

 ・既刊号は、ホームページ「http://www.drhase.info」をご覧下さい。

 ・メールマガジンをお届けしています。ご希望の方は、上記ホームページよ
  り登録なさってください。