トリインフルエンザウイルスが、変異を獲得して新しいタイプに!

● トリインフルエンザウイルスが、変異を獲得して新しいタイプに!


先日、「世界各地のアザラシが、インフルエンザウイルスに感染した形跡」
と題して、海洋研究開発機構・極限環境生物圏研究センターのK.Oishi先生の
研究についてお話しました。
その中で、ウイルスの変異や遺伝子組替えなどで、新たなウイルスが出来ると
人類の新たな脅威となる可能性を述べました。

 今回、世界保健機関(WHO)が、“タイとベトナムで発生している高病原
鳥インフルエンザウイルスで、変異が起きていることは明らか”と言うコメ
ントを発表しましたので、改めてこの話題を取り上げてみました。

 WHOによると、今のところ大きな変異を遂げた証拠はないものの、もしH5N1型
ウイルスが人から人に感染するように変異すると、大流行になるのは間違いな
く、たいへん気掛かりな状況であるという事です。

 これは、先日開かれた世界経済フォーラムダボス会議で、WHOの李鍾郁事
務局長が述べたものです。
 その中で、タイとベトナムで高病原性鳥インフルエンザのH5N1型ウイルスが、
人から人へ感染した可能性が高い症例が出ていることについて、ウイルスが変
異していることは明らかだとしています。
 しかし問題はその変異の程度で、今のところ人から人への感染能力を獲得す
るような大きな変異を遂げた証拠はまだないとの見解を示しています。

 人から人への感染の可能性があるのは、昨年9月に発生したタイの例だそうで、
鳥インフルエンザが原因とみられる肺炎で死亡した母親と娘の間で、ウイルス
感染の可能性があるということです。
 事務局長によると、H5N1型ウイルスが人から人に感染するようになれば、次
の大流行になるのは間違いなく、タイとベトナムの症例はたいへん気掛かりだ、
と注意を呼びかけています。

 1918年から1919年にかけて発生したスペインかぜは、感染者数6億人、死亡
者数5000万人にのぼり、第一次世界大戦終結の遠因ともいわれるものです。
 しかし、現在は昔と違って様々な研究が進んでいますので、何とかそのよう
な大流行を未然に予防し、例え罹っても被害が最小限になるよう、人類の知恵
を発揮して欲しいと願っています。
 そのためにも、多くの研究者の地道な努力を期待せずにはおられません。

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