肥満の人は、性機能障害がおこりやすい

● 肥満の人は、性機能障害がおこりやすい


 肥満が原因で糖尿病となっている人には、性機能障害が見られる事はよく知
られています。
 ところが、このような障害以外にも、単に肥満であるというだけで、性に関
するいろいろな面に影響が出るようです。
 最近の報告によりますと、性欲や性的な満足感が急激に低下し、ついには性
生活自体を避けるようになるという事ですので、注意が必要です。

 これは、名門のデューク大学の医学センターのMartin Binks博士が、先日ラ
スベガスで開かれた北アメリカ肥満研究会の会合で発表したものです。

 今までも、肥満の人は普通体重の人に比べて、性が関係した問題が発生しや
すく、統計によると25倍も多いといわれていました。
 そこで研究者等は、BMI(body mass index)が40以上の928人の肥満の男女に
ついて、性生活に関する聴き取り調査をおこないました。
 なお、これらの肥満の人のうち半数は、実際に体重を下げるなどの治療を受
けている人で、残りの半数は治療前の人だったそうです。
 また、対象として正常体重の282名についても同様の調査を行いました。

その結果を要約しますと

①正常体重の人は5%程度だったのに対し、肥満治療を受けている人の2/3(65%)、
 治療を受けていない肥満の人では41%が、何らかの性的な問題を抱えていた。
②その中身としては、治療中の人の50%が性欲が低下し、42%が性機能障害が生
 じ、41%が性行為を避けるようになっていた。非治療群ではそれぞれ、性欲が
 29%、性機能障害29%、性行為を避ける24%。ちなみに正常体重の人では2%が性
 機能障害、性行為を避けるのは3%だった。
③特に、性についての悦びの度合いが大幅に低下していた。治療中群の28%、
 非治療群の30%が性の悦びを感じていない。これは正常体重グループでは4%であ
 り、実に10倍もの頻度で肥満の人で悦びが消失していることになる。
④女性の場合によりその問題が大きく、特に治療中の人よりも治療を受けてい
 ない人に深刻。

 以上の結果から、このような性に関した問題は、肥満の人に共通の問題であ
るとしています。
 その原因としては、単に過体重という肉体上の問題だけでなく、精神的な要
素が大きく影響しているようです。
 特に、自分自身をコントロールできずに肥満になってしまったという、後悔
の念が見逃せないようです。実際、肥満から立ち直り、自分の生活をコントロ
ールできるようになると、性の問題もなくなる場合が多いという事です。

 肥満のもたらす弊害は、考える以上に大きいようです。皆様ご注意を!! 

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  恥づ可きを恥ぢず、論ず可きを論ぜず、人をさへ見れば唯腰を屈するのみ」
                   (福沢諭吉 『学問のすゝめ』より)

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