桂枝伏苓丸が米国で承認試験中

 新年、おめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
 皆様にとって、この1年が希望に満ちた、よい年でありますよう。

 では早速、2005年最初のニュースをお送りいたします。


●桂枝伏苓丸が米国で承認試験中

 漢方薬ファンにとって嬉しいニュースです。
 漢方薬の桂枝伏苓丸(けいしぶくりょうがん)が、米国で正式な医療用漢方
薬にとして使われる日が近いということです。

 これは漢方薬メーカーのツムラニュースリリースしたもので、米国での治
験試験を開始し、2010年に米国内で発売を予定しているそうです。

 桂枝伏苓丸は、古来から不定愁訴などの女性特有の症状の改善に使われてき
漢方薬です。
 米国での適用も、更年期障害に伴う「ホットフラッシュ」というのぼせや、
火照りの改善だそうですが、いづれも桂枝伏苓丸が得意とするものです。
 現在、承認に必要な後期PII試験に着手したところだそうで、体の大きな米
国人に対する用量を決めるため、日本の用量と同じ7.5g群と、用量を増やした
12・5g群、及びプラセボ群について、被験者各60人ずつ計180人で試験を行う
予定です。

 ところで、漢方薬は“証”といわれる、患者さんの体質の見極めが非常に重
要で、これを会得するには長年の勉強が必要です。
 米国の医師や薬剤師が、この証を見極めをうまく身に付けてくれるかちょっ
と心配ですが、漢方薬が広く普及する事で認識が高まることを期待します。

 さて、漢方薬の効き目は、漢方薬は西洋科学とは異なる”東洋医学的”な見
地から、効能・効果を見る必要がありますが、最近では西洋医学的なEBM(Evidence
Based Medicine)も蓄積してきています。
 例えば東北大学の研究者等が、「八味地黄丸(はちみじおうがん)が痴呆患
者の認知機能を改善する」ことを西洋医学的に証明して、J Am Geriatr Soc誌
(Sep. 2004)に報告しています。
 これは、中等度から重度の痴呆患者33人を対象にした8週間のプラセボ対照2
重盲検比較試験で、八味地黄丸は認知機能と日常生活動作を改善する効果があ
る事を確認したものです。

 このように徐々にではありますが、西洋医学東洋医学が歩み寄り、患者さ
んにとって有用な治療法が確立しつつあります。

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 今年最初の言葉のサプリメントです。

 「積極的な考え方は事業であれ、教育であれ、プロフットボールであれ、
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