一番風呂は体によくない

<一番風呂は体によくない>

いよいよ、冬本番です。
このような寒い時にはお風呂が最高ですが、一番風呂は体に良くないのだそうです。

一番風呂とは、お湯を入れたばかりで誰も入っていないお風呂のことです。 つまり、水道水を沸かしたままということで、湯の成分は水道水そのものということになります。
ところで、日本の水道水は世界的に見てもとても質が高く、全国どこでも安心して飲むことができます。
しかし、日本の水道水はミネラル分が少ないいわゆる「軟水」が一般的で、一番風呂の湯にも溶け込んでいるミネラル分は多くありません。
人体の皮膚の内側は細胞や血液などで満たされていますが、細胞や血液といった体液中にはたんぱく質やさまざまなミネラル分などの成分が含まれており、日本の水道水と比べるとずっと濃くなっています。
ちなみに、この体の内側の濃い濃度とお風呂のお湯の薄い濃度の差が皮膚にぴりぴり感や違和感といった刺激をもたらすと考えられています。
温泉水で言えばその濃さの違いで「低張性」「等張性」「高張性」三段階に分類されますが、そのうち人の体液と同じ濃さである「等張性」が最も刺激が少なく、肌への負担も少なくなっています。
一方、水道水は人の体液より薄く、温泉水にならって分類するとすれば「低張性」になります。
低張性の湯が皮膚と接すると水が皮膚の中へ移動します。その結果、長湯をすると指先がふやけるなどの現象が起こってきます。この水の皮膚への移動が皮膚への刺激になり、敏感な人は皮膚の不調を感じます。
さらに、一番風呂と二番目以降のお風呂では、湯の成分が異なることが知られています。人がお風呂に入ると、その人の皮膚に付着している汚れ、皮脂、汗、古くなった角質などの不純物が湯に溶け込みます。
その分、わずかですが、湯の濃度が濃くなります。このわずかな変化が皮膚への刺激を和らげます。二番風呂の湯ざわりが柔らかいというのはこういう理由があったのです。

しかし、二番風呂が良いことが分かっても、一人暮らしの人はいつも一番風呂で、二番風呂に入ることは不可能です。また、二番風呂では汚れが気になる方もいるでしょう。その場合、解決策としてお勧めなのは、入浴剤です。
入浴剤にはさまざまなミネラル分が配合されており、湯に溶かすことによって二番風呂と同じような効果をもたらします。また、ゆずを浮かべる、菖蒲湯などの季節ごとの薬湯でも、湯に物質を溶かし込むという点では入浴剤と同じような効果が期待できます。

ぜひ皆様、この冬は肌に優しいお風呂をお楽しみ下さい。