心の傷のPTSD:パソコンゲームのテトリスで予防可能

<心の傷のPTSDパソコンゲームテトリスで予防可能>

一昔前に流行したテトリスは、画面の上から落ちてくるブロックをうまく並べて点数を競う単純なゲームですが、私の好きなパソコンゲームでした。

今回、自動車事故など心に傷が残るような出来事を経験したり目撃したりした直後に、テトリスをすると、心的外傷後ストレス障害PTSD)が予防できる事が分かりました。
これは、スウェーデンカロリンスカ研究所の研究チームが、英国で自動車事故に遭って集中治療室に入院した患者さん71人について調べたものです。

研究では、これらの患者さんの半数には通常のけがの治療を受けてもらい、残る半数には事故から6時間以内にテトリスでプレイしてもらいました。
その後1週間の経過観察を行ったところ、テトリスをしたグループでは、事故の記憶がよみがえるフラッシュバック現象が起きる頻度が62%も少ないことが分かりました。
更に48時間経過すると、その頻度はほぼゼロになっていたそうです。

以上の結果から、トラウマとなる出来事を経験した後に速やかにテトリスのような単純なゲームを行えば、恐怖の記憶が脳に焼き付くのを防止できるとされています。

PTSDは、衝撃的な場面が恐怖と結びついて何度も記憶によみがえり、脳に固定されることによって発症するのですが、テトリスのように想像力と視覚を使うゲームをすれば、脳が2つのことを同時に処理できず、衝撃的な出来事の記憶が固定されるのを防止できるためと考えられるそうです。
今後さらに詳しくこの現象を調査し、テトリス以外の方法についても研究を進める予定との事です。