飼い猫はアトピー性皮膚炎の原因

<飼い猫はアトピー性皮膚炎の原因>


 アトピー性皮膚炎の原因の一つに、皮膚の洗いすぎがあるのではないかと、話題になっています。

そこで今日は、ペットとの関係についてお知らせします。

1歳になるまでにネコやウサギを飼っていた家庭の子どもは、アトピー性皮膚炎になりやすいのだそうです。

 これは、国立成育医療センター研究所の松本健治・アレルギー研究室長らの調査で分かったもので、イヌではそのような傾向は見られず、アレルギー性疾患の発症は、ペットの抜け毛やダニだけではなく、ペットの種類による何か別の原因も関係していそうだという事です。

 研究では、広島市内の小学校2年生9974人の保護者にアンケートを依頼し、子どもが1歳になるまでのペット飼育歴やアレルギーの有無などについて調べました。

 その結果、イヌを飼っていた子どもは585人、ネコは352人、ウサギやハムスターなどのげっ歯類は132人だったそうです。

 これらの子どものアトピー性皮膚炎発症率を調べたところ、15.3%で、ぜんそくは16.7%となっており、飼育歴のない子どもと比較してやや高い傾向がみられました(それぞれ発症率12.8%、13.9%)。

 次に、ペットの種類別の発症リスクを比べたところ、ネコを屋外で飼っていた場合のアトピー性皮膚炎の発症リスクは、飼育歴のない場合とほとんど差はみられませんでしたが、室内で飼育していた場合は約1.6倍になっていました。
 ウサギやハムスターでは、最大で約3.1倍だったそうです。

 ところがこれに対し、イヌは屋外・室内とも、ペットの飼育歴のない場合と、ほとんど差がない事が分かりました。

 また、一度発症したぜんそくが8歳までに治ったかどうかを調べたところ、ネコやウサギを飼っていた子どもは、飼育歴がない、またはイヌを飼っていた場合と比べて、治りにくくなっていたそうです。

 今のところ何故、ペットの種類によって、発症リスクや治りやすさに差が出たかは分かっていませんが、新たにこれらのペットを飼い始めない方が、発症を予防するためにはよさそうとのことです。